鉄道部門は4月28日から年末までにかけて、鉄路局集団公司管内の一部動車組(新型高速列車)の乗車料金割引をさらに拡大する。割引幅は最大20%にのぼる。うち広州・珠海都市間高速鉄道の乗車料金は20%割引され、往復で最高28元節約できるようになる。広州・仏山・肇慶、東莞・恵州の2本の都市間鉄道は、20キロ内の一部短距離区間の乗車料金(2等座席)を5元に調整する。地下鉄とほぼ同じ料金で列車を利用できる。
鉄道の乗車料金引き下げは、国家発展改革委員会が昨年4月に配布した「高速鉄道動車組乗車料金政策の改革に関する通知」によるものだ。同通知は、中国南東の沿岸部を走る高速鉄道の一部乗車料金を調整するよう求めた。これには、価格及び市場化の手段により一部の輸送能力を調節することで、移動時間を柔軟に決めることのできる乗客に割引切符の選択を促す狙いがある。そこで昨年9月より、中国南東の沿岸部を走る一部高速列車の乗車料金の値引きが始まり、最高で32%引きとなった。渝万高速鉄道(重慶・万州)も昨年11月に割引案を発表し、すべての座席の乗車料金を一律1割引きとした。
乗車料金割引の路線が増えるに伴い、単なる「輸送能力の調節」という説では論拠が成り立たなくなっている。鉄道部門が今回発表した割引案を例とすると、中国鉄路総公司は、広州・珠海、海南環島、南京・安慶、丹東・大連、青島・栄成、鄭州・開封、武漢・孝感など28本の都市間鉄道の一部の動車組乗車料金について、異なる形式・幅の割引を行う。割引幅は最大で20%にのぼる。これらの区間を見ると、都市の範囲内、もしくは短距離の都市連結区間ばかりであることが分かる。
そのため高速鉄道の乗車料金が地下鉄レベルまで下がるのは、市場競争の結果によるものと言える。当然ながらこの競争は鉄道内部の競争ではなく、鉄道と道路、マイカー移動、空運などの間の競争だ。高速鉄道網の建設及び空運の高度発展により、人々の移動の選択肢が増えている。移動の体験と切れ目なき連結を優先し、短距離移動でマイカーを選択する人が増えている。この状況下、鉄道部門は料金引き下げと乗客の体験改善により、乗客を獲得し利用者の移動習慣を養う必要が出た。分かりやすく言えば、1・2級都市で人材さらには人口の争奪戦が生じているほか、乗客輸送の事業者間でも争奪戦が始まろうとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月2日