ライドシェアから宿泊、飲食、看護のシェアに至るまで、シェアリングエコノミーが急速に拡張しているが、その一方で個人情報の漏えい、資源の浪費、不公平な競争などの問題も生じている。国家発展改革委員会弁公庁、中央インターネット安全情報化委員会秘書局、工業情報化部弁公庁はこのほど、『シェアリングエコノミーの健全かつ良好な発展の指導と規範に関する作業についての通知』を公布し、新たな市場参入政策の公布に慎重になり、公平な競争審査制度を実施し、違法・規定違反の経営行為を厳格に処理するよう強調した。これついて専門家は、関係部門はシェアリングエコノミーの発展に対し包容・慎重な姿勢を維持しているが、監督管理を放棄したわけではないとの見解を示した。今回の『通知』及び交通などの関連部門の自転車シェアリング、インターネット配車における管理を見ると、シェアリングエコノミーは発展と規範を共に重視する時期に入ったと言える。
7億人以上がシェア
近年、シェアリングエコノミーは急発展し、中国の経済・社会発展の主力になっている。統計によると、2017年の中国シェアリングエコノミー市場の取引額は約4兆9000億元で、前年比7.2%増加した。同年のシェアリングエコノミー活動に参与する人は7億人に達し、前年より1億人増加。うち、シェアリングサイトの従業員数は約716万人で131万人増加し、同年の都市部新規就職者の9.7%を占めた。都市部の新規就職者100人中、10人がシェアリング企業の従業員になったということになる。
国家情報センター・シェアリングエコノミー研究センターは、今後5年、中国のシェアリングエコノミーは年平均30%以上の高成長を維持すると予想する。農業、教育、医療、介護などの分野がシェアリングエコノミーの新たな中心になると見られる。
今回公布された『通知』は、総合管理機関の設立、分類管理の実施、企業の責任強化、市場参入条件の規範化など11項目についてシェアリングエコノミーの発展を規範化した。
北京大学中国戦略研究センターの特約研究員の郭夏氏は取材に対し、「シェアリングエコノミーは一種の流行に発展し、その急発展は中国経済の巨大な活力と潜在力を示している。しかしそれと同時に、シェアリングエコノミーの発展が個人情報の漏えい、ユーザーの権利保護の難しさ、盲目的な成長、不公平な競争など多くの試練に直面していることにも注意が必要。これらの問題をいかに解決するかがシェアリングエコノミーの持続的発展に極めて重要になる。関係部門が『通知』を公布したのは、シェアリングエコノミーに現れた新たな問題と状況に対応するためと言える」と述べた。
監督管理の強化
「シェアリングエコノミーの発展について、関係部門は包容・慎重な監督管理原則を堅持している。これに関して、私たちは包容・慎重な姿勢は発展を放任し、管理しないということではないとはっきり認識する必要がある」と、郭夏氏。
『通知』はサイト運営企業の責任強化について、「安全保障体制を整備し、消費者の身と財産の安全を保証する。人工知能(AI)、ビッグデータなどの技術と人工審査を合わせた方式を採用し、身分確認とコンテンツ管理を強化する。科学的な取引仲介体制及び価格決定体制を構築し、取引の公平性を保証する」など、非常に具体的に要求している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年6月10日