杭州夢想小鎮天猫小店で、子供がスキャンによるセルフ決済を体験した。彼らは新小売と共に成長する世代だ。
顔認証決済、電子値札、ジュースとホットコーヒーを作る自動販売機などを見るだけならば、ハイテクをテーマとするコンセプト店だと感じるだろう。しかしここでは白菜、ナス、豚肉、豆腐絲などが売られている。200平方メートルの店には2000種類の商品が詰まっている。
これらの赤い看板の天猫小店は、アリババのプラットフォーム「零售通」による小売店の高級モデルだ。零售通によりネット上で商品を仕入れるのは、2−6級都市のありふれた道端の店だ。零售通は3日、小売店のカバー範囲が100万店を突破したと発表した。
道端の店はECサイトの新たなシーンになろうとしている。中国移動は同日、京東「新通路」と協力し、同じく小規模店を攻めると発表した。蘇寧は団地内で自社のコンビニを設置する。道端の店はECに対してどのような魅力を持っているのだろうか。まず「ローエンド市場を制する者は天下を制する」と言われ、道端の店はECがまだ網羅していない多くの人々を集める。またこれらの店で提供される商品の品種と消費シーンは、ECと大きく異なっている。例えば冷えたミネラルウォーターならば、オフラインで買うしかない。
小売プラットフォームは道端の店に進出し、何をもたらしたのだろうか。インターネットが新たな流通ルートをもたらすのは明らかだ。杭州夢想小鎮天猫小店の店主である鐘学氏は、長年に渡り小売店を経営している。「以前はオフラインで商品を仕入れていたが、その価格は仕入れる量によって変わった。例えばミネラルウォーターを100箱購入するならば1本0.9元だが、1000箱ならば0.8元だ。保管スペースを確保した上で、仕入れ値を下げなければならない。ところがオンラインならば288元以上購入すると送料無料で、計算するとミネラルウォーターが1本0.8元になる。さらに小売業プラットフォームは有益なデータを生む。例えばこのクッキー、それから陳列されている人気商品は、1カ月で6−7回ほど売り切ることができ、粗利率が高い。これらの商品は以前、店では売らなかった。プラットフォームのデータ分析により、これらの商品がよく売れることが分かった」
アリババグループ零售通事業部責任者の林小海氏は「この1年間で零售通を使用した店の商品構造に、微妙な変化が生じた。ユーザーの8割が新商品もしくはブランドの使用を試み、店主の4割は差別化されたブランドがよく売れると感じた。これらの伝統的な店は消費アップグレードの新たな需要に適応しており、チェーンのスーパーやコンビニしか訪れなかった若い消費者を集めている」と説明した。
小売プラットフォームは伝統的な道端の小規模店に新たな「顔」を与え、業界関係者も「セブン-イレブンの11%のコストでその70%の機能を実現できる」と指摘している。しかし改造後の店はコンビニチェーンとの競争に直面する。特に後者は2級以下の都市に進出しようと準備を整えている最中だ。現状を見ると、品質管理や安全の需要の制約、配送の難易度があるため、100万の小規模店はまだオンラインでおでんや弁当などの生鮮食品を直接購入することができない。これらはコンビニチェーンが利用客を集める武器になっている。林氏は「小規模店を生き残らせるためには、この能力を提供しなければならない。当社は技術革新によりこの問題を解消することを検討している」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年9月6日