預金伸び率が低下、資金はどこに流れたのか

預金伸び率が低下、資金はどこに流れたのか。

タグ:預金伸び率 低下

発信時間:2018-09-06 16:04:54 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 銀行の預金集めが近年難航しており、預金の伸び率が低下している。今年6月の中国金融機関各項目預金残高は前年同月比8.4%増で、伸び率が40年ぶりの低水準となった。中央銀行の最新データによると、今年7月末現在、全国住民預金残高は約68兆4000億元となっている。人口を14億人として計算すると、中国人の平均預金残高は5万元未満ということになる。銀行預金は減少したのだろうか、これらの資金はどこに向かったのだろうか。


 住民の貯蓄預金の減少は、預金の伸び率低下の無視できない重要な要素だ。データによると、今年4月の住民預金は1兆3200億元と大幅に減少し、単月としては最大の下げ幅を記録した。うち中国工商銀行、中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行の個人預金は3月末より9209億8600万元減少し、減少全体の77%を占めた。その後は減少の流れを止めたが、反転上昇の力が乏しい。7月の住民預金は前月比で依然として0.4%減少した。


 中国は高貯蓄率国であるため、住民の貯蓄は金融の安全を保障し、経済発展を促進する重要な力とされてきた。特に世界金融危機の衝撃への対応で、住民の貯蓄は大きな力を発揮した。しかし近年の実際の成長を見ると、住宅価格の高騰、教育・医療費などの支出拡大、各種金融商品の増加、インターネット金融の発展、住民の消費アップグレードなどの影響があり、住民の貯蓄にも伸び率の低下、貯蓄率の減少が生じている。


 金融監督管理の拡大に伴い、銀行の非規範的な預金が大幅に減少したことも、預金規模をある程度縮小させた。同じく無視できないのは、インターネットの高度発展により、インターネット金融やECなどが速やかに形成され、多くの銀行の預金が流出していることだ。若者だけではなく、主にカードや現金で決済を行う中高齢者も今や微信や支付宝を使っており、客観的に見て銀行預金を減少させている。


 銀行の預金の伸び率低下は、銀行に大きな圧力をもたらしている。そのため銀行は主に預金と貸出の金利差で営業を維持している。特に資格管理新規定が発表されると、銀行の金融商品などの業務により多くの制約と制限が加わり、収入源が減少することになるため、預金と貸出の事業を拡大し収入を増やす必要がある。預金の伸び率の低下は、銀行の貸出に影響を及ぼす。そのため銀行は預金を集めるため、「ハイレバレッジ」を持ち出したほどだ。これにより預金と貸出の金利差が縮小するが、銀行が自ら負担するか企業に転嫁するといういずれの選択も良い現象とは言えない。


 銀行の預金の伸び率低下は、一つのすう勢かもしれない。だが今年以降の伸び率低下には、客観的な要素がある。これらの要素が消化され、特に資格管理新規定の全面的な実施と個人所得税政策の調整により、銀行の預金増に積極的な影響が及ぶ。しかしこれらの影響は預金規模の拡大に伴い、徐々に失われる。全体的に見て、銀行の預金伸び率は低下し、経済成長や国民の所得増などと並び、高度成長を維持しがたくなる。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年9月6日

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