預金準備率引き下げは量的緩和にあらず、実体経済をサポート

預金準備率引き下げは量的緩和にあらず、実体経済をサポート。

タグ:預金準備率引き下げ 実体経済

発信時間:2019-01-07 14:59:36 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 中国人民銀行(中央銀行)は4日、金融機関の預金準備率を今月15日と25日に0.5ポイントずつ、計1ポイント引き下げることを決定した。また、第1四半期に満期となる中期貸出制度(MLF)の資金は継続しない。情報によると、今回の預金準備率引き下げによる長期資金供給額は約8000億元。アナリストは、この目的は実体経済をより良くサポートし、企業、特に民間企業や零細企業の「資金調達が困難で、資金調達が高コスト」という問題を効果的に解消することであり、一部で判断されているような量的緩和ではないと指摘した。


 資金調達の難題を解消


 李克強総理は4日、中国銀行、工商銀行、建設銀行の金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)事業部を視察し、中国銀行保険監督管理委員会にて座談会を開いた。マクロ政策の反周期的調節を拡大し、さらに減税・費用削減措置を講じ、全面的な預金準備率引き下げ、的を絞った預金準備率引き下げのツールを活用し、民間企業と零細企業の資金調達を支持すると表明した。


 中国企業金融研究院の巩宇航院長は「国家統計局のデータによると、昨年11月の購買担当者景気指数(PMI)は50%で、製造業の景気の分かれ目となるラインに達し、近年としては最低水準を記録した。これは経営者の市場の先行きに対する自信の不足を示している。これには企業の過度な税負担、資金繰りの問題といった一連の要因がある。今回の座談会では包摂金融が強調されたが、これは零細企業を支援する非常に重要な取り組みだ」と分析した。


 中国銀行の宗良首席研究員は記者に「包摂金融により、零細企業、農家、都市部中・低所得層などが金融サービスを受けられるようにする」と話した。宗氏によると、中国は包摂金融の整った効果的な経験及び方法を形成している。例えば従来の金融機関内で包摂金融事業部を発展させ、国有大手銀行にリーダーシップを発揮するよう求めている。しかしコスト、リスク、企業自身の差などの原因により、零細企業の資金調達は常に非常に困難だ。これは経済鈍化の圧力を前にしてより顕著になっている。


 銀行の包摂金融に取り組む積極性をさらに高めるため、中央銀行は2日に包摂金融の的を絞った預金準備率引き下げの審査基準の調整を発表した。包摂金融の的を絞った預金準備率引き下げの小型・零細企業に対する貸付審査基準を、「1社あたりの与信枠は500万元未満」から「1000万元未満」に調整する。中央銀行は4日に預金準備率引き下げを発表したが、これは包摂金融の重点対象に資金が効果的に流れることを促し、現在の資金調達の難題をより良く解消する。


 依然として的を絞った調整


 今回の預金準備率引き下げは、金融政策の方針の変化を意味するのだろうか。宗氏は記者に「今回の預金準備率引き下げで、中央銀行はこれによる長期資金供給額は約8000億元であり、零細企業や民間企業などの実体経済への貸出資金の供給を効果的に増加できると特に言及した。中央銀行の関係者もこの質問に回答した際に、今回の預金準備率引き下げは依然として的を絞った調整であり、量的緩和策ではなく、穏健な金融政策に変化はないことを明らかにした」と話した。


 また宗氏によると、預金準備率引き下げに4日を選んだのは、元旦から春節(旧正月)までの市場の流動性が比較的逼迫するためであり、またMLFの資金が満期を迎えることも念頭に置いてのことだ。「このタイミングで公告を発表することで、春節前の現金投入による流動性の変動を相殺することができる。金融機関が引き続き零細企業や民間企業への支援拡大を続け、実体経済により良く貢献することを促す」



「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月7日



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