中日関係は昨年、長年立ちこめてきた暗雲を脱して正常な軌道に戻り、新たな発展も得た。このため、中日の識者は今年の中日関係に対して、特に経済分野について楽観的であり、期待を抱いている。全体的に見て、中日の経済協力には取っ掛かりが多く、主に次の4点が挙げられる。(文:陳友駿・上海国際問題研究院副研究員。解放日報掲載)
■世界経済の統合を連携して維持
第1に、経済の一国主義、保護貿易主義と断固として戦い、世界経済の統合、貿易の自由化という大きな趨勢を共同で維持し、後押しする。世界経済ガバナンスのマクロ的視点から、経済の一国主義と保護貿易主義は世界の自由経済秩序を脅かす主たる矛盾であるうえ、ひとたびその処置を誤れば、世界経済ガバナンス体制改革にシステマティックなリスクを引き起こしやすい。こうした中、世界第2、第3の経済大国である中日が連携して世界の自由経済秩序の健全な発展をしっかりと守るのは当然のことだ。さらに重要なのは、中日両国が世界経済ガバナンスのルールについての踏み込んだ検討と意思疎通を強化し、世界経済の発展の法則に従うとともに、広大なアジアのエコノミーと途上国の経済発展の現実に合致する新たなルールシステムの設計に努力することだ。要するに、着眼点が低すぎてはいけないし、望みばかりが高くて現実的でないのもいけない。
第2に、地域経済統合を共に後押しし、強大な生命力と発展の原動力を持つアジア太平洋経済圏を構築する。長年の共同の努力を経て、中日を含む多数のアジア太平洋諸国は地域経済統合に極めて大きな期待を抱いているものの、中日韓自由貿易協定(FTA)や域内包括的経済連携(RCEP)など地域経済統合に関わる重要協定の交渉は常に合意が困難な状態が続いている。例えば、中日韓FTA交渉の再開後間もなく、慰安婦問題やレーダー照射問題などのために日韓関係は膠着状態に陥った。これは中日韓FTA、RCEPの交渉の足を著しく引っ張っている。このため、いかにして政治的要因による妨害を克服し、交渉の敏感な議題において速やかに合意を形成するかが、今年中日がアジア太平洋の経済統合を共に推進するうえでの主要な取っ掛かりの1つとなるだろう。