深セン前海はこのほど、前海が全国で初めて5Gネットワークフルカバーを実現する自由貿易片区になると発表した。
「応用+」テストが実施、5G商用化を推進
【5Gスマート交番】前海から北に進むと、深セン市宝安区安塘頭の「5Gスマート交番」がある。かわいらしい「アイアンマン」巡査が勤務開始を待っていた。アイアンマンは寝る必要がなく、24時間連続でパトロールできる。4G環境ではパトロール中の動画データを伝送する際に遅延が生じるが、5Gネットワーク環境であれば6台のカメラの動画データがリアルタイムで伝送され、かつ環境の追跡と関連性の分析を行う。
塘頭交番の責任者によると、「5Gスマート交番」は5Gネットワークの広帯域、低遅延、幅広い連結の能力を利用し、法執行シーンに広さと深みを持たせる。ドローン、巡回ロボット、ARゴーグル、ビッグデータ分析などの技術を結びつけ、スマート端末をアップグレードし、スマート分析を掘り下げ、立体型スマート法執行システムを構築する。
【5Gスマート病院】
深セン市第三人民病院の関係者は、「5Gスマート病院」の未来のシーンを次のように描写した。救急車が患者の元にたどり着くと同時に、患者のバイタルサイン、救急治療の映像などがリアルタイムで病院に伝送される。救急医は直ちに救急措置を講じることができる。5Gの低遅延の特徴により、病院外の専門家は遠く離れた場所で映像を目にし、現場の外科医と共に難病の5G手術を行うことができる。
政務・警備、医療・健康、産業のインターネット、コネクテッドカーー通信事業者や川上・川下企業など各種主体の共同推進を受け、5Gの商用化が近づいている。深セン市工業・情報化局の徐志斌副局長によると、5Gネットワークのインフラ整備の推進が加速されており、5G事業応用テストに積極的な進展があった。今後の重点はネットワーク・技術・製品・応用の深い融合の推進だ。
「産業+」の深い融合、1兆元規模の市場を形成へ
5G基地局のカバー範囲は半径約200メートルで、既存の4G基地局を大幅に下回る。つまり通信事業者は5Gネットワークを構築し、安定的な信号サービスを提供するためには、まず4Gより多くの基地局を設置するという問題に直面する。
深セン電気通信ネットワーク発展部ワイヤレスネットワーク計画技術主管の林青群氏は、「大量の5G基地局の建設により、4Gよりもコストが膨らむ。この問題を解消するため、5Gは産業との深い融合を加速しなければならない」と話した。
このような観点は徐々に業界の共通認識になろうとしている。業界関係者は、2・3・4Gの電気通信事業と異なり、5Gの連結の範囲は「人と人」から「モノとモノ」に拡大し、その価値は産業発展の過程において示されると判断している。
先ほど行われた自動運転テストにおいて、5Gの広帯域及び低遅延の通信能力を利用し、5G自動運転体験テスト車はミリ秒級の速度でクラウドと通信し、停車、カーブ、障害物回避、デッドゾーンの迂回といった操作を実現した。
5Gと産業の融合は大きな市場のチャンスをもたらす。中国情報通信研究院は今年3月に発表した「5G産業の経済への貢献」の中で、中国の5G商用化が直接けん引する経済効果は2020−25年の間に10兆6000億元に達し、直接生み出す経済付加価値額は3兆3000億元に達する見通しと予想した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年4月29日