レアアース、その戦略的価値とは?

レアアース、その戦略的価値とは?。中国は埋蔵量・生産量・輸出量が世界最大の国だ。中国におけるレアアースの分布は、「北軽南重」の構造を呈している…

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発信時間:2019-05-30 15:06:39 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国国家発展改革委員会の責任者が、レアアース(希土類)産業の発展に関する記者からの質問に回答し、注目を集めた。レアアースが米国からの理由なき圧迫に対する報復の「武器」になるのではと推測されている。工業の「ビタミン」と呼ばれるレアアースにはどのような戦略的要素が含まれるのだろうか。ハイテク産業、さらには軍事分野でどのような欠かすことのできない力を発揮しているのだろうか。


 国務院新聞弁公室が2012年に発表した「中国のレアアースの状況及び政策」によると、中国は豊富なレアアース資源を持ち、その埋蔵量は世界の約23%を占める。米地質調査所がこのほど発表した「鉱産物概要2019」によると、世界のレアアース埋蔵量は1億2000万トンで、うち中国が4400万トンで世界一になっている。ベトナムは2200万トン、ブラジルは2200万トン、ロシアは1200万トン、インドは690万トン、豪州は340万トン、米国は140万トン。


 中国は埋蔵量・生産量・輸出量が世界最大の国だ。中国におけるレアアースの分布は、「北軽南重」の構造を呈している。軽希土類は主に内モンゴル自治区包頭市などの北方及び四川省涼山イ族自治州に、イオン吸着型重希土類は主に広西チワン族自治区贛州、福建省竜岩市などの南方に分布している。中国は現在、整ったレアアース産業体系を形成している。整った採掘・選鉱・製錬・分離技術、設備製造、材料加工・応用の産業体系を持つ。科学技術水準を見ると、中国はレアアースの採掘・選鉱・製錬・分離などの分野で多くの世界先進水準の技術を開発している。特に採掘・選鉱技術と先進的な分離技術で世界をリードしている。


 包頭レアアース研究院の学者である閻宏偉氏は、環球時報の記者に対して次のように述べた。


 レアアースには17の希少元素があり、複雑に見えるが、応用面を見ると分かりやすい。17の元素のうち、放射性のプロメシウム以外はすべて用途がある。主にこれらの元素の磁気や光などの特性を利用する。現在の最大の用途は、主にネオジム・鉄・ホウ素磁性材料、触媒(石油精製、排気ガス浄化に集中的に用いられる)、艶出し材料、発光材料、水素貯蔵材料となっている。レーザーガラスやレーザークリスタルなどその他の分野にも多くの用途があるが、添加量が少なく、産業の主力ではない。


 一般人はよくレアメタルとレアアースを混同する。レアメタルは地殻の含有量の少ない金属で、レアアースは主に上述した17の元素を指す。レアメタルの含有量はレアアースよりも少なく、世界的な分布も不揃いだ。両者の希少性を同列に論じることはできない。レアメタルをレアアースとするのは間違いだ。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年5月30日

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