新時代の区域協調発展の版図上で、中国の中部地区は成長が加速し、中国経済に勢いのある動力を注入している。
山西、安徽、河南、湖南、湖北、江西を含む中部六省は、中原の内陸で「承東啓西(東部を支え、西部を導く)」の場所に位置し、新たな工業化、都市化、情報化、農業現代化の重点区域として、中国経済の持続的な中高速成長を支えている。
ここ数年にわたり、中部地区は成長トレンドが明確になり、持続的な経済力の拡大と内発動力の増強で、区域成長に対する作用が日増しに大きくなっている。中部地区は、2005年の全国に占める総人口の割合が28.1%、域内総生産が全国の18.8%に相当する3兆3400億元だったが、2018年の域内総生産は19兆2700億と、全国に占める割合が21.4%に上昇した。
分析によると、区域の成長構造の変化に伴い、中部地区は、中国経済成長の重要なエンジンの一つになりつつある。2018年のGDP成長率トップ10にランクインした省・自治区・直轄市のうち4つが中部地区の省だった。中部地区の経済成長率は7.8%と、全国平均を1.2ポイント上回り、東部、中部、西部、東北の四大地方のうち最も高かった。今年第1四半期の中部六省の経済成長率は、いずれも引き続き全国平均を上回っている。
中部地区は、新たなハイレベル対外開放のチャンスをつかみ、「一帯一路」共同建設を積極的に進めてビジネス環境を改善し、対外開放の水準を大きく向上させた。統計によると、2013-2018年の中部地区の輸出入総額は2196億米ドルから3140億米ドルに増え、全国の対外貿易に占める割合も5.3%から6.8%に上昇。2018年の中部地区の外資利用額は前年比19.2%増の89億4千万米ドルで、全国平均を大幅に上回った。また、中部六省から出発した中欧班列が1700本余りに達し、世界に開かれた物流センターを次第に形成している。
中部地区ではここ数年、産業の移転受入、ハイエンドプロジェクトの導入、巨頭企業の育成、新旧の成長エネルギー転換が進み、新興産業が急速に成長した。例えば江西省では、航空、VR,デジタル経済、IoTなどの新興産業の集積が加速し、発展途上産業が支柱産業へと成長。湖南省では、優良産業プロジェクトの誘致を通じ、自動車及び自動車部品、IT、バイオ医薬などの新興産業クラスターが発展している。
現在、中部地区はモデル転換・高度化へと向かい、質と効率が向上する新たな段階へ入った。中部地区は人口が集中し、市場余地が非常に大きく、発展の潜在力が大きい。新たな成長のステージへと上がり、良好な基盤と優位性を持つと同時に、試練にも直面している。特に、経済構造の拙さ、供給の質の低さ、一部業界の生産能力過剰、資源環境の制約などの問題がみられる。
中部地区には成長トレンドの勢いがあり、発展の手ごたえがある。中部地区の総合的な実力と競争力を持続的に高め、中部地区の勃興の新たな局面を切り開けば、中国経済の発展に絶えることなく原動力を提供する見通しだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月29日