1日に100トンの生ゴミを処理し、匂いもない。残った廃水と残滓は農業の肥料に使用できる――20年以上の技術開発を経て、上海交通大学環境科学工程学院の金放鳴教授のチームによる「生ゴミ水熱酸化技術」が、実用化に向けた試験の歴史的な一歩を踏み出した。1台目となる連続式生ゴミ水熱資源化技術装置の稼働試験が成功に終わった。この装置は「水熱魔法使い」のようなもので、取り込んだ生ゴミのすべてを高品質の肥料にできる。設計上の処理量は1日100トン。
生ゴミは有機ゴミとも呼ばれる。金氏のチームが開発した水熱酸化技術は、地球炭素循環プロセスを模倣することで、特定の高温・高圧環境で生ゴミのバイオマス有機物の分解を早める。これを腐植酸、蟻酸、酢酸、乳酸などの高付加価値製品にする。
生ゴミの有機物が水熱酸化技術により変化すると、高品質の液体肥料が生み出される。これは農作物への施肥、水産物の養殖に直接用いることができる。固形の残滓は腐植酸類物質で、農業の施肥に直接使用できるほか、土壌汚染の修復、砂漠化土地の修復、重金属汚染土壌の修復、大気汚染の修復、水質汚染修復などに使える。生物圏を浄化し、生態環境を改善する貴重な資源だ。