中国の対欧投資が8割減 専門家は「企業の行為」

中国の対欧投資が8割減 専門家は「企業の行為」。中国の対欧投資は企業の行為だ。企業が利益になると判断すれば投資し、適切な投資先がなかったり、最近の投資環境が理想的でなければ回避する…

タグ:欧州 投資 企業 経営

発信時間:2019-08-14 15:54:01 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 「中国企業が欧州拡張のペースを落している」13日付独ビルト紙が掲載した、英ロンドンに本社を置く会計事務所アーンスト・アンド・ヤングによる最新の報告書(以下「同報告書」)によると、中国企業の今年上半期の対欧投資・M&Aの金額が前年同期比で84%減少した。うち対独投資は約9割も減少した。


 中国社会科学院欧州研究所の陳新副所長は環球時報の記者に対して、報告書の結果について「中国の対欧投資は企業の行為だ。企業が利益になると判断すれば投資し、適切な投資先がなかったり、最近の投資環境が理想的でなければ回避する。これは企業の決定であり、過度に解釈する必要はない。中国と欧州の双方にとって、これは損失というほどのものではなく、中米経済貿易摩擦とも直接関係していない」と述べた。


 同報告書によると、中国企業の今年上半期の対欧投資額は24億ドルのみ。取引件数は前年同期比28%減、取引額は84%減。中国側は欧州81社に出資し、M&Aを行ったが、これらの多くが小規模な投資だ。欧州最大の経済国であるドイツに対する投資の減少はさらに衝撃的で、大企業のM&Aが1件もなかった。中国企業の今年上半期の対独投資額は5億500万ドルのみ。昨年通年は100億ドルだったため、9割減に相当する。


 ドイツ通信社は、投資の減少の原因は、欧州の中国人投資家に対する「不信任」の深まりであると分析した。ドイツ政府は昨夏、中国国有の電力網運営業者によるドイツ電力グループへの出資を阻止した。ドイツ政府は昨年12月に投資法を引き締め、中国人投資家によるドイツのハイテク企業及び重要企業のM&Aを阻止した。ドイツは同時に、EUに共に行動するよう促している。独ハンデルスブラット紙は、中国資本のM&A市場は中米経済貿易摩擦の「犠牲品」であり、これは世界の混乱する地政学の結果でもあるとした。別の専門家は、これまで欧州で活発な動きを見せていた中国企業は現在、自社の経営に専念していると分析した。


 陳氏は13日、環球時報の記者に対して次のように分析した。


 中国の対欧投資額については権威ある公式データがなく、同報告書のデータのソースが不明だ。中国の対外投資ルートは幅広く、その一部は商務部によって記録されており、データが存在する。別の一部はオフショア企業による投資だ。同報告書の結果によると、中国の対欧投資額の減少には、関連欧州諸国政府の外資審査強化の要因があり、また中国自身も現段階で対外投資資金の審査を強化し、非実体性投資を制限しているという理由もある。また欧州、特にドイツの最近の景気低迷も、中国企業の投資方針に影響を及ぼしている。中国の対欧投資はそもそも小規模で、近年になり急増していた。一部の企業は現在、投資環境などの要素を考慮し投資を延期している。これは正常なことだ。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年8月14日

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