米国がいわゆる「中国の貿易行為」に関する審査を認める覚書に署名し、301条調査を開始した2017年8月14日から計算すると、米国側が引き起こした中米経済貿易摩擦はすでに丸2年も経過していることになる。
中米の駆け引きは2年間に紆余曲折を経ており、さまざまな変化に満ちている。
戦いながら協議し、協議しながら戦う。
米国側が摩擦をエスカレートさせ、世界市場が中米の協議の先行きを不安視するなか、中米双方の代表者が電話会談を行ったという情報が13日夜に伝わった。
劉鶴副総理(中共中央政治局委員、中米包括経済対話中国側代表)は13日夜、要請に応じ、ライトハイザー米通商代表、ムニューシン米財務長官と電話会談を行った。米国側が9月1日より中国製品に追加関税を導入することを検討している件について、中国側は厳重に抗議した。双方は今後2週間内に電話会談を再び行うことを確認した。中国商務部の鐘山部長、中国人民銀行の易綱総裁、国家発展改革委員会の寧吉喆副主任らが電話会談に出席した。
これまでの電話会談と比べると、今回は豊富な内容となった。
要請に応じるという言葉を見ると、米国側が提案した電話会談は、米国側が短期間内に追加関税導入による圧力を消化できないことを浮き彫りにしている。
米国側が自ら電話会談を開いたのは、おそらく短期的な戦術的行為であり、主に国内の金融市場を着眼点としている。これは米国の最近の株価、双方の電話会談後の市場の反応を見れば分かる。
これはまた、極度な圧力が米国市場に悪影響を及ぼした後、米国側の行為が徐々に理性に回帰していることを示すものかもしれない。
米通商代表部(USTR)は今回の電話会談後、追加関税の対象となる3000億ドル分の商品について、一部の商品を除き導入の時期が12月15日までずれ込むと発表した。
海外メディアはこれについて、3000億ドル分の商品への追加関税導入の計画が、米国の消費者に損失をもたらすことを認めたことを意味すると判断した。
ロイター通信の13日の報道によると、トランプ米大統領は火曜日、9月1日より3000億ドル分の中国製品に10%の関税を追加導入する計画について譲歩した。年末商戦への影響を避けるため、携帯電話、ノートPC、その他の多くの消費税への導入を見送ることになった。
ブルームバーグは、米国の昨年の中国からの輸入データを分析した。USTRが9月1日より10%の追加関税の導入を決定した中国製品の価値は約1100億ドルで、12月15日より10%の追加関税が導入される中国製品の価値は約1600億ドル。また当初の課税リストから移された約20億ドルの製品がある。
フィナンシャル・タイムズの分析によると、米国が12月まで追加関税導入を先送りする中国製品の価値は約1560億ドルで、これまで追加関税導入を検討していた3000億ドルの半分以上だ。
米メディア「アクシオス」によると、トランプ氏は同日記者に対して、今回一部の関税導入を見送るのは、小売業者と消費者への影響を和らげるためだと述べた。トランプ氏が米国人消費者が関税の影響を受けることを公の場で認めたのはこれが初。
米国の次の措置については、今後の経過を見守る必要がある。
中米は「戦いながら協議する」を続けてきたが、米国側の行為についてはある程度の傾向を見て取ることができる。
米国側の行為が理性的であるか否かは、往々にして二つの要素によって決まる。
国内を見ると、米国市場と経済情勢が米国の政策に大きな反応を示すほど、政策が理性的になる可能性が高まる。国外を見ると、中国の毅然たる態度と立場も、米国側に圧力を形成する。
昨夜の代表者による電話会談は、このような情報を伝えた。
情報の中身を見ると、中国側が「厳正な交渉」という外交の表現を用いるのは極めて異例だ。
情報の内容には、「厳粛」と「積極」という二重の意味が含まれる。
「厳粛」とは、経済貿易分野の意思疎通で、「厳正な交渉」という外交の表現を用いるのが異例であるからだ。
中米貿易戦争の「戦いながら協議する」という状況が長引いているが、中国側がこのような手段で態度を表明したのは今回が初めてだ。
これはなぜだろうか。
米国側は9月1日より中国製品に追加関税を導入することを検討すると発表したが、これは大阪における中米首脳の共通認識に背く信頼失墜行為だ。
経済貿易協議において、基本的な信用という保証がなければ、その他の問題については議論できない。この行為が是正されなければ、中米の協議に深刻な障害が生じる。
そのため中国側が異例の外交表現により示した厳粛な態度については、疑いを差し挟む余地がない。
「積極的」とは、双方の意思疎通ルートが現在もスムーズであり、さらに意思疎通を進める意向を持つことを示したからだ。市場にとって、これは最近の積極的なシグナルだ。
「双方が2週間内に電話会談を実施へ」
現在は8月中旬であり、2週間内とは9月1日よりも前になる。
この段階に進展を実現できるかは、主に米国側の行動にかかっている。
中国製品に新たな関税を導入しない。これは米国側の大阪会談における約束だ。
この約束に背けば、「平等と相互尊重の基礎」は存在しなくなり、その他のことについては議論できなくなる。
大阪における中米首脳会談の共通認識に回帰し、平等と相互尊重の基礎を踏まえた上で、中米経済貿易協議は初めて持続的かつ効果的に進めることができる。
また中国側からは今回の電話会談に、中国商務部の鐘山部長、中国人民銀行の易綱総裁、国家発展改革委員会の寧吉喆副主任が出席した。
発展改革委員会、商務部、人民銀行という3大部門は先ほど、米国産農産物の購入、米国から「為替操作国」のレッテルを貼られたことなどについて声を上げていた。
今回の対話で、関連する内容は取り上げられただろうか。
現段階において、中国側の立場にいかなる幻想も抱くべきではない。
中国は貿易戦争を望まないが、これを恐れず、必要な場合であればやむなく戦う。
この立場には十分な意思疎通の誠意が込められており、やむなきことと言え断固反撃する意志を宣言している。自国を発展させる中国の毅然たる決意を示している。
今後どうなるかについては、十分に明らかだ。
大阪の中米首脳会談の共通認識に回帰すれば、平等と相互尊重の基礎を踏まえた上で、協議を前向きに推進する希望がある。
極度な圧力をかけるやり方を続ければ、すべての中国製品に追加関税を導入しても、米国側の目的を達成することはできない。
この立場はこれまでも変化したことがない。
不変によって万変に応じる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年8月15日