フィナンシャル・タイムズ(電子版)は18日、「中国が貸出金利の市場化を実施へ」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
中国人民銀行(中央銀行)は従来の主要貸出金利の代わりに、より市場駆動型の基準金利を採用する。これは長く期待されていた改革であり、企業の資金調達コストを引き下げる効果を狙っている。
中国の銀行貸出金利は現在、中国人民銀行が毎日設定している貸出金利に基づく。各商業銀行はこの金利を参考にするが、中央銀行は企業貸出コストの決定において、終始強い地位を占めている。
中国中央銀行が発表したこの新たな措置は、最優遇貸出金利(LPR)を基準貸出金利とする。
この新たなメカニズムの下、LPRは1年物中期貸出ファシリティー(MLF)金利に連動する。後者は最も市場に近い貸出金利とされている。これにより民間企業の調達コストを引き下げることができる。
中国民間企業はこの1年間で貸出ルートの引き締めに直面しており、金利市場化の緊急度が高まっている。
アナリストによると、この最新の改革措置が貸出金利に与える初期の影響については予想し難い。従来のメカニズムの貸出金利は4.35%で、新たなLPRと連動する1年物MLF金利は3.3%。
アナリストは、新たな金利は市場の基準により近づくことになるが、中国人民銀行が影響を及ぼし続けると予想している。
LPRは毎月20日に発表される。発表は8月20日より。
国家金融計画者は近年、一連の改革を推進し、金融システムを市場の勢力に近づけている。公的貸出金利は貸出コストの重要基準であったが、2013年に廃止された。中国中央銀行は2015年に、さらに預金金利の上限を廃止した。これは一般人がより多くの預金金利を手にすることを促した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年8月21日