米国側はこのほど中国製品への追加関税の税率を引き上げると発表し、「貿易のいじめ」の本質をさらに露呈した。世界では現在、世界経済が大きな衝撃を受けるという懸念ムードが蔓延している。モルガン・スタンレーは、米国が関税を25%に引き上げるだけでも、世界経済の成長率を2.5%以下に抑えることになると分析した。ベルギー中国経済貿易委員会の委員長は、「米国の関税を武器にする政策は、世界の貿易の壁を増やし、貿易額を減らすばかりか、悪い見本を示すことになる。悪質な競争を生み、世界経済を泥沼に引きずり込む」と述べた。
米国の一部の人物は多国間貿易ルールを破壊し、世界の産業チェーン・サプライチェーンの安全を脅かしている。国際金融市場の変動を引き起こし、国際貿易と世界経済の成長の足を引っ張っている。彼らの独断専行は経済の脱グローバル化の流れに乗っており、市場の競争の原則に背き、世界経済の衰退のリスクを大幅に拡大している。互いに融合する世界経済・産業構造において、保護主義や一国主義によって断絶と対抗を人為的に作り出そうとすることは現実に背いており、実現することもない。米NYタイムズ(電子版)は最近の記事の中で、「アップルは先ほどテキサス州で少量の高級パソコンの製造を試みたが、米国ではすべてのネジを提供できるサプライヤーが見つからなかった」という実例を挙げた。
米国側の一部の人物による責任感のない非理性的な行為が市場の信頼を著しく損ね、世界金融市場の変動を引き起こしていると強調する識者が増えている。世界銀行、国際通貨基金、世界貿易機関などの国際機関は再三、貿易戦争が続けば世界経済により大きな影響を及ぼすと警告している。先ほど開催されたG7サミットにおいて、フランス、ドイツ、英国などの各国首脳は、米国側が引き起こした経済貿易摩擦に深い懸念を示した。欧州理事会のトゥスク議長は、「米国と他国の貿易緊張関係のエスカレートにより、世界が衰退に陥る可能性がある」と警告した。
現在の世界では、多国間主義が一国主義に取って代わり、協力とウィンウィンがゼロサムの駆け引きに取って代わることが、遮ることのできない歴史の大きな流れになっている。米国側の一部の人物の古い思考に基づく対抗は、中米両国の利益を損ねるばかりか、世界各国の共通の利益を損ね、各国の人々の共通の福利を破壊する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年8月29日