9月10日はアリババ創業20周年の日であり、馬雲氏が正式に会長を退任した日でもある。
特殊な節目となった「教師の日」、教育に回帰
この情報については、心の準備ができていた。1年前の9月10日「教師の日」に、馬氏は取締役会の承認を経て、1年後の本日(2019年9月10日、アリババ創業20周年の日)に会長を退き、張勇CEO(現職)を後釜に据えると発表した。海外メディアは、9月10日はアリババにとって大きな象徴的意義を持つと判断した。
しかしアリババは同日、馬氏の退任を記念する公式活動を行わなかった。その一方で夜には内部のパーティーを開き、創業20周年を祝った。賑やかな記念式で、アリババの次の段階を迎えようとした。
馬氏は以前、大学教員だった時代が最も幸せだったため、退職後は教育に回帰すると表明した。「私が愛する事業に取り組めば、限りない喜びと幸福を得ることができる」馬氏は今後15年は教育に回帰し、農村教育に取り組むと述べた。「アリババで稼いだお金を使う」
再出発、アリババの挑戦
ロイター通信は、馬氏はアリババにとって最良の時期に退任したと伝えた。馬氏の退任により張氏に残されるプレッシャーも少なくない。
中国国内市場を見ると、10年間の急成長を経た電子商取引(EC)は、成長率が低下している。科学技術メディア「Tech Crunch」は、アリババはネット通販事業で、拼多多などの新しいライバルに直面すると報じた。また京東、蘇寧、拼多多などが3・4級都市に進出し、新たな争奪戦を展開している。競争は激しくなるばかりだ。
張氏はアリババの既存事業を開拓すると同時に、グローバル化発展を絶えず推進しなければならない。
ザ・タイムズ・オブ・インディア紙は、張氏は新たな発展分野を見つけることが課題の一つになるとした。網易とアリババは6日午前、戦略的提携を共同宣言した。アリババは網易の越境ECプラットフォーム「網易考拉」を20億ドルで全額買収する。またアリババはリード・インベスターとして網易雲音楽の7億ドルの資金調達に参与した。アナリストは、アリババは今回の買収で越境ECの優位性を手にするほか、音楽・娯楽業界の不足を補い、新たな事業成長源を模索できると判断した。
しかし張氏が新たな発展分野を手にすることは、これまでよりも困難になっている。
アリババは過去1年で事業再編と構造調整を行ってきた。主力のEC部門から戦略的投資部門に至るまで、新たな取締役を任命した。ところが馬氏が正式に退任した後のアリババの発展については、静観ムードが漂っている。
馬氏が昨年、1年後に退任すると宣言すると、アリババの未来の発展への懸念が株価に最も強く反映された。アリババの株価は2018年9月10日に約4%安となった。
今年どうなるかについては、現時点では不明だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年9月11日