中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)は27日、国連総会で「今の中国、世界の中国」と題する一般討論演説を行った。米『CNN』は、新中国成立70周年を迎えるなか、中国が「一窮二白(一に貧窮、二に文化的空白)」の状態から国連分担金率第2位の出資国になった過程を「じっくりと考えるような口調で話した」と報じている。
「中国トップの外交官は、関税と貿易紛争が世界を景気後退へ陥らせる懸念を示し、理性的な問題解決を呼びかけた」。英『ロイター』は28日、王毅氏が、世界的な試練に対して高い壁を築くことが解決法にはならず、自国の問題を他国へなすりつけるのも良くないやり方で、前世紀の「世界恐慌」の教訓が身近にあることを強調したと伝えた。
日本の『時事通信社』は28日、中国の外相が、経済貿易紛争を起こせば「世界の産業チェーンとサプライチェーンを混乱させ、多国間貿易体制とグローバル経済貿易秩序を弱体化し、世界を『景気後退(リセッション)』に陥らせる可能性がある」と批判したと報じている。具体的な国名は出さなかったが、保護貿易政策を講じる米トランプ政権をけん制する発言となった。また、フランス通信社は王毅氏の演説について、米ホワイトハウスの行動が国内の政治的要因で起こされていることを示唆する内容だったとしている。
元世界銀行チーフエコノミストの盖保徳(アルベルト・ケイデル)氏は28日、『環球時報』に対し、中国外相の演説が、中国政府が自国の発展計画を堅持し、貧困脱却と国民生活水準の向上などで大きな成果を上げたことを明らかにしたと説明。「貿易戦争は、中国の前進を妨げることはないと思う」と述べている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年9月29日