記者に人気商品を紹介する日清オイリオ(中国)投資有限会社の呉堅社長
「申し訳ございません、我々の商品は完売しました」。昨年11月の第1回輸入博覧会の最後2日、出展業者が並べた商品は販売できるが、日清オイリオは展示ブースの保管スペースが限られており、準備した1000本近くの日清高級食用油が毎日午後2時前に完売してしまい、2時以降に訪れた消費者に謝らなければいけないことに悩んでいた。第2回輸入博覧会の開幕前、日清オイリオ(中国)投資有限会社の呉堅社長は中国網の独占インタビューに応じた。
商品の供給不足に苦しむことは、業者にとって最も「幸せ」な悩みかもしれない。呉堅氏は昨年の展示会のことをよく覚えている。栄養学の博士出身の彼がスーパーセールスマンになり、会場で来賓に日清傘下の各種食用油の特徴と効能を説明し、科学用油の理念を広めた。「当時は来場者が押し寄せ、興味津々に話を聞いていた」と呉堅氏。
輸入博覧会が業者にもたらす利益は目に見え、触れることができる。日清傘下の家庭用輸入食用油はヘルシーという特徴を売りにした日本からの輸入品で、価格は市販の国産家庭用調理・食用油の数倍する。価格が高く、中国の消費者に支持されるかどうか不安だったが、中国の高級食用油市場の成長の潜在力は驚異的であることが事実によって証明された。呉堅氏は、「日本からの輸入食用油は2018年に12万本売れ、今年1~9月だけで21万本以上売れた。輸入博覧会は企業のブランドイメージを紹介し、知名度を高める良い機会」だと述べた。個人消費者がブースの商品を購入したほか、多くの企業のバイヤーも大量注文し、長期的な提携パートナーとなった。
輸入博覧会が企業の知名度向上と売上拡大というダブルの効果をもたらす点に目をつけ、日清オイリオは来年の第3回輸入博覧会にも参加することをすでに決めた。「先手必勝。展示ブースを予約した。輸入博覧会は中国内外企業の協力を拡大する」と呉堅氏は話す。中国企業と業務において密接に協力する日本企業として、多くの高級商品の研究開発にも中日チームの共同の努力が存在する。同社が研究開発したアルツハイマー病治療食品「MCTゼリー」を例に挙げると、中国301医院と共同で臨床実験を行い飛躍的な進展を得た。チームは遺伝子の角度から研究を進め、この病気のメカニズムをはっきりとさせ、「大脳の働きにおいて葡萄糖の利用に問題がある」ことを突き止め、このようなゼリー状の食品を開発した。大脳に必要な中鎖脂肪酸(MCT)を補うことで症状を改善する。実験で、軽度と重度の症状に対してはっきりとした治療効果があることがわかった。この成果は『Clinical Nutrition』で発表された。
同社の高級輸入食用油の中国市場での売り上げは驚異的に伸びているが、呉堅氏は、売り上げを伸ばすことが企業の最終目的ではないと考える。日清のモットーは多くの中国の家庭に科学、健康、合理的に油を使用するという理念を普及させることで、「我々は中国市場の消費グレードアップに期待している。それに参与し、健康的な飲食、健康中国に貢献したい」と呉堅氏は話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年11月5日