中国財政部はフランスの首都パリで5日(現地時間)、40億ユーロ相当の国債を発行した。中国のユーロ建て国債の発行は2004年ぶりで、中国の単発では最大規模の外貨建て国債発行となった。
財政部が発表した公告によると、40億ユーロのうち7年債は20億ユーロで、表面利率は0.197%。12年債は10億ユーロで、表面利率は0.618%。20年債は10億ユーロで、表面利率は1.078%。世界の投資家はこの中国の国債の購入に意欲的だ。データによると、購入申請額は発行額の5倍の200億ユーロを上回り、うち57%の資金が欧州からとなっている。投資家の種類が豊富で、地域も広く跨っている。
交通銀行の連平チーフエコノミストは、新華社の記者に「欧州の債券の金利は現在普遍的に低く、一部の国はマイナス金利になっている。中国がこの時期にユーロ建て国債を発行したのは、資金調達コストが非常に低いためで、また欧州金融市場の活気づけることができる。これは欧州にとって紛れもないメリットだ。購入申請額は発行額を大幅に上回ったが、これは世界の投資家が中国の財政状況及びマクロ経済状況を楽観しているからだ」と話した。
記者の調べによると、フランスでの中国債の発行はこれが初で、今後はさらにユーロネクスト及びロンドン証券取引所で発行される。
中国社会科学院世界経済・政治研究所の張宇燕所長は「ユーロ建て国債の発行は国際市場、特に欧州の投資家に次の明確なシグナルを発した。すなわち中国の全面的かつ高水準の開放が終わることはなく、開放の扉がますます大きく開かれるということだ。これは中国の積極的な財政政策の効果拡大を示した」と指摘した。
今回のユーロ建て国債発行により、中国政府は2年連続の米ドル建て債券発行を踏まえた上で、ユーロ建て資金調達ルートを再び切り開いた。中央財経大学中国公共財政・政策研究院の喬宝雲院長は「国債はアンカー効果を持つ。今回の債券は、中国系発行体による今後のユーロ建て資金調達の参考になる」と述べた。
また複数の業界内の専門家は、今年が中国とフランスの国交樹立55周年であることに注意している。中国がパリでユーロ建て国債を発行したのは、パリ国際金融センターの建設を支援する中国の重要な行動であり、両国及び中国・EUの金融協力の掘り下げに対して重大な意義を持つ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月7日