英『BBC』は11月12日、中国語版ウェブサイトに「ECセールの『ダブル11』が貿易戦争の影響と中国経済モデル転換の圧力を映し出す」というタイトルの記事を掲載した。独身の日と呼ばれる11月11日の電子商取引(EC)セール「ダブル11(双11)」で、アリババが運営するECプラットフォームの取引額は2684億元に上り、過去最高を再び更新した。しかし、米中貿易戦争のさなか、これまで「ダブル11」で目を見張るパフォーマンスをみせてきた米国の農産物が中国人のショッピングカートに大量に入れられることはなかった。
今年の「ダブル11」では、ECプラットフォームの淘宝や天猫で「米国産さくらんぼ」を検索すると、検索されるのは全てチリ産のさくらんぼだった。以前の「ダブル11」では米国産レッドデリシャスりんごが大人気だったが、今年最も売れたのは甘粛省が原産地のりんごだった。
『ロイター』によると、米国産さくらんぼの対中輸出量は2017年5月の1505トンから今年5月には187トンへ約9割減少した。
中国は米国の報復関税に対し、米国産果物の税率を複数回にわたり50%まで大幅に引き上げ、さくらんぼやりんごなどの関税を60%に設定している。この市場の空白は「一帯一路」沿線国が埋めている。この2年間でチリ産さくらんぼが中国販売を伸ばしたほか、今年5月に中国が輸入したさくらんぼの半分近くをウズベキスタン産が占めた。今年6月と7月には、トルコの二地方で採れたさくらんぼが中国に届いた。また、タジキスタンとキルギスタン産のさくらんぼも中国市場に持ち込まれている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月15日