中国航空工業集団有限公司の指導のもと、「2019年地域航空と国産リージョナル機の発展に関するフォーラム」が14日、陝西省西安市で開かれた。
同社はメディア向けに発表した年次報告書の中で、向こう20年にわたり、中国の航空会社の管理水準は向上し続けると指摘。それに伴い航空旅客輸送市場は成熟し、有償座席利用率(ロードファクター)は84%以上という高水準で推移するとの見通しを示した。
伸長する旅客需要に応えるため、2038年までに中国の航空旅客輸送市場の輸送能力は有効座席キロ(ASK)ベースで4.36兆キロに拡大すると予測。内訳は、中国国内線が3.17兆キロ、国際線が1.16兆キロ、地域路線が0.03兆キロに上るとしている。機材構成については、ナローボディ機が今後とも中国民間航空の主力になる見通しだとしている。
一方、中国の一部のハブ空港では施設容量が飽和状態に達しており、ハブ空港間の路線は空域、地上とも混雑問題を抱えているのが現状だ。これを受け、航空各社はワイドボディ機の幅広い導入により、混雑緩和に向ける方針で、中でも北京-上海、北京-広州などの一線都市(主要大都市)間を結ぶ路線におけるワイドボディ機の導入比率はすでに6割を上回っている。また、長距離路線の需要増に応えるため、各社とも国際化戦略を実施しており、今後ワイドボディ機の導入が増えるとみられる。
年次報告書の作成に加わった中国航空工業発展研究センターの黄毓敏副主任は、中国の航空会社では今後20年間で7630機の旅客機需要が見込まれると予測。内訳はワイドボディ機が1460機、ナローボディ機が5168機、リージョナル機が1002機としている。需要が最も多く見込まれるのは150席クラスのナローボディ機で、需要全体の52%に上るという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月17日