貿易法の専門家によると、トランプ米大統領は外国製の自動車と自動車部品に追加関税を課すかどうかの判断を設定された期限までに示さなかったため、通商拡大法232条に基づく関税の発動はもはやできない見通しだ。英メディアが報じた。
ロイターの19日の報道によると、専門家は「トランプ氏がまだ欧州や日本製の自動車に追加関税を課したいと希望するなら、米国政府は他の方法を模索せざるを得ない」と指摘した。
その論拠となるのは1962年に制定された「通商拡大法」だ。冷戦時代に制定されたこの法律は、米国の防衛産業基盤を保護することが狙いだ。通商拡大法232条は、「米国商務省が特定の輸入製品を国家安全保障に対する脅威と見なす場合、大統領はこれらの製品に課税することができる」と規定している。
トランプ政権は2018年5月に外国製自動車に対して232条に基づく調査を開始。6か月前、トランプ氏は政府の調査結果に同意し、一部の輸入車と自動車部品は「米国経済を弱体化させ」ており、国家安全保障に有害である可能性があるとし、これらの製品に最大25%の関税を課すと公言した。
しかし、トランプ氏は11月14日の時点で何も行動を起こしていない。11月14日は調査完了後、行動を起こす最終期限だった。
米国国際貿易裁判所が18日に新たに示した判断によると、前回の外国製鉄鋼製品を対象とした232条の調査時に、トランプ氏の貿易関連の権限はすでに終了していたという。貿易の専門家はこの判断を基に、トランプ氏が身動きが取れなくなっていると確信を深めたようだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月21日