中国人民銀行(中央銀行)は25日に発表したリポートで、「人民銀はこの1年で、関連部門と共に様々な金融リスクについてカテゴリー別に対策を講じ、適時に『的を絞った解消措置』を実施、監督管理改革を持続的に推進、日常的なリスク監視と評価を強化してきた。リスク解消と処理の過程で、政策のペースと舵取りをしっかりと行い、『リスクの処理をめぐるリスク』を防止し、金融市場と金融機関の安定運営を効果的にサポートした」と発表した。
人民銀が発表した『中国金融安定報告(2019)』によると、1年以上に渡る集中的かつ多様な措置を通じて、金融リスクの防止と解消という面にポジティブな進展が見られた。具体的には、◇マクロ経済全体でのレバレッジ比率を効果的に安定化、◇内モンゴル自治区の包商銀行などハイリスク金融機関を平穏に規則に則って管理下に置き、中小銀行の局地的で構造的な流動性リスクを確実に解消、◇民営企業の債務不履行を規則に則って処理、◇資産管理業務の新規定や、システム上重要な金融機関(SIFI)の監督管理など関連のガイドラインを発表した。
リポートは、国内外の複数要因の影響により、中国の金融リスクは新たな特徴と進展傾向を示していると分析する。重点機関と違法な金融活動の新たなリスクは効果的にコントロールされているものの、既存のリスクは更なる解消が必要で、金融市場は外部からの衝撃に非常に敏感になっており、市場の異常な変動リスクは軽視できない状態だという。
今後については、国内外の複雑な情勢に向き合い、重大な金融リスクの防止と解消に断固として取り組む必要がある。安定成長とリスク防止のバランスを取り、各方面に責務を負わせ、隠れたリスクを適切に処置し解消する。システミックな金融リスクが発生しない最低限のラインをしっかりと守り、人々の合法的な権益を最大限に保護する考えだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月26日