アリババ・グループ・ホールディングが26日、香港証券取引所で正式に上場し、多くの記録を樹立した。米国と香港で同時に上場する初の中国IT企業、及び香港証券取引所の上場制度改革後で初めて香港を2カ所目の上場先とした海外発行者となった。また今年の世界最大規模の新規株式公開(IPO)となった。
市場関係者によると、アリババの上場と市場の積極的な反応は、企業の香港資本市場への期待を示した。これは香港株の流動性と新経済のウエートを拡大し、より多くの海外発行者による香港上場を奨励し、香港の国際金融センターとしての地位を固める。
アリババは公開価格を176香港ドルと設定している。香港で最大1012億香港ドル(約130億ドル)の資金を集め、香港株の市場3番目の規模のIPOとなる。上場当日の初値は187香港ドルで、公開価格を約6.25%上回った。終値は187.6香港ドルで、公開価格を6.59%上回った。
アリババの今回のIPOは機関・個人投資家から歓迎され、応募倍率が約42.44倍となった。
華大証券の楊玉川チーフマクロエコノミストは、「市場はアリババのIPOに対して全体的に上々の反応を示した。これは初日の機関投資家向けの募集枠がほぼ使い切られたことからも明らかだ。中国経済や、アリババの長期的な成長に自信を持っていなければ、機関投資家は通常アリババのような大企業の株式取得にこれほど積極的にならない」と指摘した。
香港ベテラン金融専門家の温天納氏は「世界クラスの超大型IPOにおいて、アリババは国際市場でも現地市場でも満足のできる結果を手にした。これは企業、国際資本市場としての香港、中国経済に対する市場の期待を反映した」と説明した。
アリババの張勇会長兼CEOは「当社が香港で上場できたのは、香港の過去数年に渡る革新、香港資本市場の改革のおかげだ。香港は重要な国際金融センター、国際貿易センターであり、中国大陸部と世界をつなぐ窓口・中枢だ。香港を通じグローバル化をより良く展開することが当社の方針だ」と述べた。
市場関係者は、アリババの今回の上場は、香港資本市場に次の積極的な力をもたらすと述べた。(1)国際資本市場としての香港の地位と優位性を強化する。(2)経済が課題に直面するなか、香港市場は国をバックとすることで国内外の投資家から今回の世界クラスの資金調達を実現できた。(3)香港市場を広げ、深く掘り下げ、より多くの投資家を集める。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月27日