11月26日の取引終了後、MSCIの年内最後となるA株組み入れ比率拡大が発効した。今回の組み入れ比率拡大がもたらす海外からの新たな資金流入規模は、第1回・第2回を上回る見通しだ。これについて複数のMSCIテーマファンドのマネージャーは、「MSCIのA株組み入れ比率拡大は外資の持続的流入につながり、A株にとって長期的な好材料となる。MSCIの採用銘柄から見ると、外資は確実性の高い業績優良株を選好する傾向が強い。現時点で、A株は明らかに国際的な魅力がある」と指摘した。
前海開源MSCI中国A株指数ファンドマネージャーの陶曙斌氏は、「これまでの2回と比べて、今回の組み入れ比率拡大は、市場がやや前倒しで反応しており、『外資の風向計』となる『北向資金』(香港市場を通じてA株に流入する資金)がこのところ顕著に流入していることもその証明だ」と指摘。短期的に見て、資金面では今回の組み入れ拡大が市場のセンチメントを一段と押し上げる見通しだ。長期的に見ると、1つの国や地域の株式がグローバルインデックスに採用される場合、通常は海外資本の長期的流入につながる。「MSCI指数組み入れのプロセスが進むにつれ、外資が持続的にA株市場に流入し、市場に新規資金をもたらし、株式市場にとって長期にわたる持続的な好材料となる」とした。
招商MSCI中国A株国際通指数ファンドマネージャーの白海峰氏によると、新たに流入する資金は再び市場予想を上回る可能性が高く、MSCIファンドにとって直接的な好材料となり、A株市場の主要銘柄にとっても力強い追い風となる。「北向資金」の持続的な資金流入は、大部分が「陸股通」(滬股通+深股通の総称、香港市場を通じた上海・深センA株の取引)ルートを通じて行なわれるという。
創金合信MSCI中国A株国際指数ファンドマネージャーの陳龍氏は、「現時点で、A株の時価総額に占める外資の持株比率は3%に過ぎない。世界の主要市場の利回りがほぼマイナスに接近するなか、A株特に上海・シンセン CSI300指数の配当利回りとバリュエーションは海外投資家にとって非常に大きな魅力だ」としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月27日