オゾンパワーで新型コロナウイルス撲滅を

オゾンパワーで新型コロナウイルス撲滅を。

タグ:オゾンパワー

発信時間:2020-03-19 15:21:15 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 2.天上のGood Ozone,地上のBad Ozone?


 オゾンは高い空の成層圏にあるだけではなく、我々の周囲にも存在している。酸素分子は低空で多く、高空では少ない。これに対して、酸素原子は低空で少なく高空に多い。ゆえに、酸素分子と酸素原子がともにある成層圏に、オゾン層が高濃度で作られている。相反して地面と、オゾン層より高い場所のオゾン濃度は薄い。つまり、大気中のオゾン濃度は地面から約10kmのところより高くなり、成層圏のオゾン層で最大値となる。さらにその上空に行くと、オゾン濃度はまた急激に下がる。


 対流層のオゾン濃度は一般的に0.02~0.06ppmである。この自然界のオゾン濃度は人類を含む大型生物には無害である。しかし、高い濃度のオゾンは人に不快感を与え、目や呼吸器官などの粘膜組織を刺激することもある。よって、アメリカ食品医薬品局(FDA)は室内環境基準のオゾン最大濃度を0.05ppmに規定している。日本産業衛生学会は産業環境基準のオゾン許容濃度を0.1ppmと規定する。中国衛生省もオゾンの安全濃度を0.1ppmと規定している。


 以上のように高濃度オゾンに対する警戒感は元よりあった。加えてオゾンの悪名を轟かせたのは、光化学スモッグ汚染である。光化学スモッグとは、窒素酸化物 (NOx)や揮発性有機化合物(VOC)などの一次汚染物質と、それらに紫外線が照射されることによって発生するオゾンという二次汚染物質からなる。NOxとVOCなどが光化学スモッグをもたらす主な生成物質であるが、光化学スモッグの中のオゾン成分は、80〜90%までにも達する。ゆえに光化学スモッグ汚染イコールオゾン汚染だと世間は捉えがちである。


 光化学スモッグは、目や呼吸器官の粘膜組織に刺激を与え、目の痛み、頭痛、咳、喘息などの健康被害を引き起こす。また植物の成長を抑制し農作物の減産をもたらす。酸性雨の原因ともなっている。


    産業革命以来、大量のNOx排出により対流圏のオゾンが増加した。過去100年、対流圏のオゾン全量は4倍になった。とくに近年、中国を始めとする東アジアでの急速な工業化と都市化に伴い、NOxなど光化学スモッグ生成物質排出量は激増し、対流圏のオゾン増加傾向を加速させている。


 対流圏のオゾン量は成層圏の10分の1に過ぎないが、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH₄)に次ぐ第3の地球温暖化ガスとなっている。


 こうした様々な理由により、世間では“対流圏のオゾンは生物に有害な汚染物質である”との認識が広がった。ゆえにオゾンは“天上のGood Ozone,地上のBad Ozone”とも言われている。日本では対流圏オゾンの地球規模の越境汚染に対するモニタリングが重要な課題となっている。


 ここではっきりさせたいのは、光化学スモッグのオゾン濃度は対流圏の自然界での正常な濃度ではなく、人的活動の汚染排出でもたらされた非自然的な高濃度であることだ。さらに光化学スモッグのオゾンにはNOxやVOCなど有害物質が多く含まれている。これもまた自然界の澄み切ったオゾンとは全く異なっている。


 自然界のオゾン濃度は季節と地域によって差異が生じるが、一般的に人体には害を及ぼさない。自然界のオゾンは無害であるばかりかむしろ有益である。自然界のオゾンと光化学スモッグとの違いを区別しなければならない。例えば雷の高圧放電では、空気中の酸素を分裂させ、オゾンを作る。高濃度のオゾンは空気を浄化するために、雷の後、往々にして空気はより清々しいものとなる。また、晴天の海岸や森林はオゾンの濃度が高いため空気は一層清らかである。


 対流圏のオゾンも、人類生存の守護神である。ただ我々は長い間その恩恵に対する研究と認識を欠いていた。


 自然界のオゾン濃度は、大型生物に無害であるものの、微生物にとってはスーパーキラーとなる。強い酸化力を持つオゾンは、自然界の微生物の繁殖を抑制し、地球生態バランスを保ってきた。しかし、これまで地球という生命体の中で微生物を抑制するオゾンの役割は十分には重視されてこなかった。


 その理由の一つは、一般的に低濃度のオゾンには殺菌作用があまり無いと考えられてきたからである。しかし、実際は、一定の暴露時間をかければ低濃度のオゾンも十分な殺菌消毒力を持つ。つまり、自然界の低濃度オゾンが地球上の細菌やウイルスといった微生物の過度な繁殖と拡散を防いできたと言えよう。


 また、オゾンは自然界においては有害有機物を分解する。さらに、オゾンは動植物に季節の変化を知らせるシグナルであるとも考えられる。要するに、対流層のオゾンが無ければ地球は、人類の生存さえあり得ない環境であった。


 実際、オゾンは“天上のGood Ozone,地上のGood Ozone”である。人類がもたらした汚染廃棄物はオゾンを“Bad Ozone”に仕立て上げた。

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