中央銀行貨幣政策委員会委員で清華大学金融・発展研究センター主任の馬駿氏は先日、経済日報・中国経済網が主催するオンライン座談会に出席し、「新型コロナウイルス感染症の影響で、今年のGDP成長率は6%の目標実現が難しい。中国経済が巨大な不確定性に直面してることを鑑み、今年はGDP成長率目標を設定し直さないことを提案する」と述べた。
新型コロナウイルス感染症の流行は経済・社会の発展に大きなダメージを与え、経済学界は中国経済への影響の大きさに注目し、話し合っている。馬駿氏は、「GDP成長率目標を6%に維持するのは不可能。4~5%でも難しく、多くの経済学者が中国経済の成長率は2%台、1%台に低下すると予想している。最終的に経済への影響は主に欧米の感染流行状況に左右されるため、このような状況はあり得る」との見解を示した。
馬駿氏は、具体的なGDP成長率目標を設定すれば、どれほどの財源と金融資源を経済刺激に投じたら目標に達するか予測できないと分析。このような巨大な不確定性がある状況で、GDP成長率目標を設定し、特にもとの6%前後に設定すれば、実現できず、マクロ政策を縛り付け、最終的に「ばらまき」に迫られる可能性が高いという。馬駿氏は、「非現実的なGDP成長率目標を設定すれば、地方政府はインフラを大々的に行い、投資を強化する。しかし、実際はこれらのインフラ投資は一般的に資本密集型で、雇用問題や失業後の生活問題の解決において短期的に何の役にも立たない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年3月31日