中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は18日、「中国銀行業の不良債権はやや増加しているが、増加率は想定の範囲内であり、株式・債券・為替市場の動向は全体的に平穏で、海外の新型コロナ感染症の状況が中国の銀行・保険業に及ぼす影響は制御可能だ」との見解を示した。
銀保監会の発表によると、◇中国の銀行・保険業が直面する外部からの輸入リスクはやや上昇しており、主に外需における大きな不確実性、対外貿易企業の信用リスク上昇などに表れている。◇海外での感染拡大が中国のサプライチェーンの安定に打撃を与え、一部の原料・部品などを海外からの供給に依存する産業が大きな影響を受けており、今後も銀行の資産の質に反映される可能性がある。◇海外の金融市場の混乱が激化し、それに関わるリスクが投資家心理や資本フローなどを通じて中国の金融市場と金融システムにネガティブな影響を与えている。
銀保監会はまた、「リスクに対する意識を一段と高め、リスクコントロールを強化、不良債権の増加など悪影響を抑制し、実体経済に寄与するためのより良い基礎を固める必要がある」と指摘。同時に、◇金融による操業再開の支援措置の徹底、◇「量的拡大、コスト引き下げ、質的向上、対象範囲拡大」の4つのポイントを重点とした小規模・零細企業の資金調達難・調達コスト高騰問題の改善、◇貧困支援向け貸出の拡大による貧困脱却攻略戦のサポートなどを通じ、実体経済の支援に注力するとした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月19日