人民元建て資産の魅力、年々高まる
実際にこうした動きは債券市場だけにとどまらない。中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・副総裁兼国家外貨管理局局長はこのほど、海外機関投資家が保有する人民元建て資産は6兆4千億元と、年平均伸び率20%以上に達し、中でも、外国人投資家が保有する国内発行の人民元建て債券はここ数年、平均40%近い伸びを見せていると明らかにした。
元建て資産に人気が集まる理由について、魯氏は次の3点を挙げた。
1、人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)通貨バスケットに採用され、国際主準備通貨の仲間入りを果たしたため。つまり、海外の中央銀行などが人民元や人民元建て資産を保有すれば、それは事実上、外貨準備の増加を意味し、その構成の最適化につながると言える。
2、昨年から今年にかけて、人民元と米ドルの金利差が歴史的水準にまで拡大し、元の魅力が高まり買い材料となっているため。
3、国内資本市場の開放が年々進んでおり、中でも4月に国家外貨管理局が適格海外機関投資家(QFII)と人民元適格海外機関投資家(RQFII)の投資限度枠を撤廃したため。このことは外国人投資家にとって非常に大きなインセンティブとなったほか、中国政府に金融セクターの開放を継続する決意があることも確認できた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月25日