北斗3号グローバル衛星測位システムネットワークの構築が23日、全面的に完了した。これは中国が独自に建設し独立運行する世界衛星測位システムだ。世界のユーザーに全天候・24時間の高精度測位、ナビゲーション、時報サービスを提供する。
小さいヘルメットから、大きな交通輸送、農林・水産・牧畜まで――北斗システムはサービス開始後、交通輸送、農林水産、水文観測、気象予報、通信システム、電力調整、災害救助・減災、公共安全などの分野で広く使用されている。顕著な経済効果・社会効果を生んでいる。
電子商取引(EC)において、国内の多くのEC企業の物流トラック及び宅配員は、北斗車載端末とブレスレットを使用している。車・人・貨物情報のリアルタイムの調整が実現された。ウェアラブルデバイスについて、北斗システムをサポートする多くの時計やブレスレット、学生カードや高齢者カードなど特殊な使用者をサポートする製品が次々と登場し、広く使用されている。
記者が福建省アモイ市の200kV李林変電所の建設現場を訪れたところ、現場で通常と異なるヘルメットをかぶっている作業員を目にした。ヘルメットのつばの下には多くの小さなボタンがあった。これは北斗高精度時報・測位モジュールを集めたヘルメットだ。北斗高精度時報・測位モジュールにより、ヘルメットを含む伝統的な安全用品に高い機能が備わった。
作業員によると、ヘルメットにはまたワンタッチで写真を撮影しリアルタイムでアップする機能がある。裏方の安全監督者は直ちに現場の施工状況を理解できる。他にも緊急状態自動警報、ワンタッチ救助要請、照明などの多くの実用的な安全機能がある。
また中国の電力網設備は広く設置されており、多くの電力施設は電波の届かない場所にある。電力網企業の現場の作業員がこれらの地域で電力網の建設もしくは巡回点検作業を行う際に、裏方の人員と連絡を取る効果的な通信手段がない場合が多い。
上述したシーンで北斗衛星システムがあれば、小さな「ショートメール通信端末」を持ちブルートゥースで携帯電話とつなげることで、普通の携帯電話に北斗ショートメール送信能力を持たせることができる。現場の状況と位置情報を裏方の人員の携帯電話に送ることが可能になる。
交通輸送において、北斗システムは重点輸送過程監視、道路インフラ安全監視、港湾高精度リアルタイム測位・調整・監視などの分野で広く使用されている。2019年末現在、国内の650万台以上の営業車、3万台の郵政・宅配車、36の中心都市の約8万台の路線バス、3200以上の内水ナビゲーション施設、2900以上の海上ナビゲーション施設が北斗システムを使用している。
農林水産において、北斗をベースとする農機作業監督管理プラットフォームが農機リモート管理及び正確な作業を実現している。5万台以上の農機にサービスを提供し、精密農業の生産量を5%拡大し、農機の燃費を約10%改善している。
中国は2035年までに北斗システムを中心とし、より広範でより融合されたよりスマートな国家総合測位・ナビゲーション・時報体制を構築し完備させる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月24日