中国の中央銀行である中国人民銀行が10日に発表した上期の金融統計データによりますと、社会融資規模(実体経済が一定期間に金融システムから得た資金総額)や通貨供給量、人民元貸付などを含む主要金融データの伸び幅が予想を上回ったことが分かりました。このうち、人民元貸付の増加額は昨年同期比2兆4200億元増の12兆900億元に達し、これにより、企業の操業再開と中小零細企業の資金不足の緩和を力強く支えました。
また、上半期の社会融資規模の増加分は昨年同期比6兆2200億元増の20兆8300億元となりました。中国人民銀行調査統計局の阮健弘局長によりますと、上期の中国の金融総量は充足しており、実体経済を効果的にサポートし、感染症対策や社会経済発展を効果的に支援することができたと示しました。なお、上期に新規増加された人民元貸付の中、25.4%が中小零細企業に、19.6%が製造業に投入されたということです。
中国人民銀行の関係責任者は、「現在の中国経済は基本的に平穏な状態にあり、通貨政策は穏健かつより適度な柔軟性を保っており、中国経済には長期的インフレやデフレの土台はない。下期では、広義のマネーサプライ(M2)や社会融資規模は引き続き安定した成長が見込まれるだろう」という見方を示しています。
「中国国際放送局日本語版」2020年7月12日