最近、一部の海外メディアは「中国が欧州連合(EU)を相手取り、世界貿易機関(WTO)にEUの反ダンピング代替国制度の変更を求めた訴訟は6月15日に終了した」という関連報道で、「中国は敗訴した」と報じた上、「WTOは中国を『市場経済国』として認めていない」とまで解釈しています。
11日夜、商務省条約・法律局の責任者は、「そうした報道は事実に合わず、明らかな法的な誤りがある」と示しました。
当該責任者は、「今回の訴訟手続きが終了後、WTOには有効な判決がなく、勝ち負けという説が当てはまらない。訴訟の終了は、紛争問題に関する中国の立場に影響を与えない上、WTO規則に基づいた中国の諸権利を損なうこともない。訴訟は、中国が『市場経済国』であるか否か、『市場経済地位』を有するか否かとは関係のないものである。WTOには、『市場経済国』または『市場経済地位』についての定義と基準もなければ、いかなる加盟国の『市場経済地位』を査定する権限もない」と主張しました。その上で、「現在、新型コロナウイルス感染症が世界で猛威を振るう中、一国主義と貿易保護主義への懸念はますます強まり、多国間貿易システムは深刻なダメージを受けている。WTO加盟国の主な任務は、連携を強化し、多国間貿易システムの権威性と有効性を共同で維持し、紛争処理小委員会(パネル)の正常な運営を速やかに回復させるよう努力することである」と述べました。
さらに、「中国はWTO加盟国として、多角的貿易体制をしっかりと支持し、ルールベースの多角的貿易体制を共同で維持していくために、各側と協力を強めていきたい」と語りました。
2016年12月12日、中国は、米国とEUが中国からの輸入商品がダンピングに当たるかどうかを認定する際、第三国の価格を基準とする「代替国制度」をめぐり、WTO枠組下での審議を要請し、紛争処理小委員会(パネル)を設置したものです。
「中国国際放送局日本語版」2020年7月12日