北京のコンサルティング会社、砺石(北京)管理諮詢の創業者、劉学輝氏は「これまで中国の製造業は、主に原材料という優位性を持つことで世界で勝ち抜いてきたが、現段階で再び敷居の低い製造業に依存したのでは、もはや勝つことは難しくなっている。このため、企業は新技術の開発によって製品の差別化を追求する必要がある。足元で製造業と人工知能やビッグデータなどの新技術との結び付きは深まり、網羅性の高い統制力のあるサプライチェーンを持つ大手企業に商機をもたらしているが、こうしたことは企業のブランド力を強化する大きな要因ともなっている」と語った。
コンサルや広告業を手掛ける広州粤成投資控股の洪仕斌董事長は「足元で新技術は中国メーカーのブランド力に新たな意味をもたらした。中でも十分な競争力を備える家電業界が最も優れたパフォーマンスを発揮しており、中国家電メーカーによるスマート化やインターネット上のイノベーションの進展から見て、家電業界は2.0時代から3.0時代へと質的な飛躍を遂げた」と語った。
「中国の家電ブランドは白物、黒物を問わず、世界市場において競争優位性がますます強まっており、バリューブランド全体の成長をけん引するとともに、業界ブランドの集中度は高まり続けており、長虹やハイアール、美的(Midea)などの国内大手メーカーの市場シェアはより安定化するようになった。また、AIやクラウドコンピューティングなどの新技術に関しては、中国の家電メーカーのほうが実際のイノベーション力や応用力ともドイツや日本のメーカーをはるかに上回っている。こうした新技術は、中国の家電業界に新たなカテゴリーを拡大する機会をもたらし、その総合的な実力を強めることとなった」。劉氏はこう述べ、近年、中国の家電ブランド力が急成長した要因は主に競争力とイノベーション力にあるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年8月16日