新型コロナ感染症が発生してから、中国は欧州と相互に支え合い、助け合ってきた。中国と欧州の経済・貿易取引は打撃を受けたものの、力強い強靱性を示し協力分野を拡大した。中欧各国の識者は人民日報の取材に対して、「中欧貿易が活力を維持していることは、双方と世界の経済にポジティブなシグナルとなっている。『一帯一路』の共同建設は中欧経済の発展に新たなチャンスを提供し、中欧の二大経済圏は世界経済の『2つのエンジン』としての役割を発揮し、世界経済の回復と成長をけん引すべきだ」と述べた。
■「中国との貿易取引が我々のビジネス成長の鍵に」
「新型コロナと英国のEU離脱の影響を受けたものの、上半期の港湾貨物取扱量は依然として2500万トンを上回り、14%以上の伸びを実現した。これは主に欧州と中国・極東地域との貨物貿易によるものだ」。ベルギーのゼーブルージュ港国際貿易業務主管のペピオン・ドフリース氏はこう語った。
これほどの成果を上げるのは容易なことではない。同氏は、「程度の差はあるがコロナで多くの産業が操業停止に追い込まれており、一部の貨物船は輸送計画がキャンセルされ、事業が大きな影響を受けている。中国との貿易取引が我々のビジネス成長の鍵となっており、なかでも中国遠洋海運集団(COSCO Shipping)が物流の円滑化で重要な役割を果たしている。コロナの影響が和らぐのに伴い、貿易取引量は急速に回復しており、我々は今年の業績に自信を持っている」と語る。
■「防疫期間中に、中欧班列の価値が一段と鮮明に」
新型コロナの試練に直面し、国際定期貨物列車「中欧班列」は新規事業を開拓し、逆境をバネに成長を実現、運行開始以来の記録を塗り替えた。中国国家鉄路集団有限公司のまとめでは、2020年上半期の「中欧班列」運行数は前年同期比36%増の合計5122本、6月単月では1169本と過去最高を更新した。上半期の貨物輸送量は前年同期比41%増の合計46万1千TEUに上った。「中欧班列」の成長は、欧州の防疫対策や産業チェーン・サプライチェーンの安定を支えるうえで重要な役割を発揮した。
国連貿易開発会議(UNCTAD)のグローバリゼーション・開発戦略部門責任者、リチャード・コズル・ライト氏は、「世界の二大経済圏である欧州と中国の経済規模を合計すると世界全体の約3分の1を占める。欧州・中国経済協力の安定は世界の産業チェーンとサプライチェーンの安全にとって極めて重要だ」とした。