今年に入り、科創板の急速な発展や創業板の登録制実施などの一連の要因により、A株市場の拡張が加速し、資本市場の実体経済を支援する役割も高まりつつある。
Windの統計データによると、発行日で見ると、今年1~8月の上海・深セン両市場で計243社が株式を発行し、平均発行価格は28.88元、平均株価収益率は46.33倍、資金調達額は累計3181億9000万元に達した。新株上場日で見ると、1~8月の上海・深セン両市場で228銘柄が新規上場し、初日の平均上昇率は125.89%となった。上昇幅が最大となったのは康泰医学で、上場初日に1061.42%上昇。最低は凱賽生物で初日に17.65%上昇した。上述の228銘柄の平均当選確率は0.04%だった。
新株上場後の動向については、市場の急速な拡張に伴い、新株の「公募価格割れ」という状況が現れている。科創板の凱賽生物を例にすると、同社は2020年8月12日に上場し、発行価格は133.45元元、株価収益率は120.70倍だった。業界平均1株価収益率は17.06倍。8月31日の取引終了時、凱賽生物の株価は110.21元で、発行価格より17.4%下落。Windの統計データによると、凱賽生物以外に、今年に入って上場した228銘柄のうち、時空科技、越剣智能、鋒尚文化、開普雲など多くの新銘柄の最新の株価は発行価格との差が20%以内で、「公募価格割れ」のリスクが存在する。
業界関係者は、過去の企業上場発行価格は厳しい行政管理を受け、発行市場と流通市場に大きな差があり、ノーリスクの制度ボーナス余地を形成したと話す。現在、科創板と創業板は試験的に登録制を実施し、発行価格は完全に市場化され、値決めが高すぎれば流通市場の上昇余地の縮小、さらには「公募価格割れ」を招き、発行価格と発行戦略を見直さざるを得ない状況だという。これは発行制度改革が市場制約メカニズムを発揮する重要な目的の1つでもある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年9月5日