新型コロナウイルス感染症の効果的な抑制と債券市場開放の加速を背景に、外資による中国債券買い増しの意欲が高まっている。
中央国債登記結算有限責任公司が発表した最新情報によると、今年8月末現在の海外機関投資家の同機関への債券投信総額は2兆4619億5500万元となり、前月比で1178億3100万元、前年同月比で42.82%、前年末比で31.17%増加した。海外機関投資家による中国債券の買い増しは21カ月続いている。
「債券通(中国本土と香港間の債券相互取引制度、ボンドコネクト)」の関連報告によると、8月の「債券通」の合計成約件数は5086件、取引高は4093億元、1日当たりの平均取引高は195億元だった。成約債券の種類を見ると、政策性金融債、国債、譲渡性預金証書の取引が活発で、中でも国債の成約額は1864億元で月次取引高の46%を占め、前月より12ポイント上昇した。また、8月末の「債券通」を利用する海外機関投資家の総数は前月より40社増の2106社に達し、世界100位以内の資産管理会社のうち74社が「債券通」を利用している。
天風証券の首席固定収益アナリストの孫彬氏は、「海外機関投資家の人民元建て債券保有規模が絶えず最高記録を更新しているのは、主に歴史的な数値まで拡大した中米金利差が海外機関を引き付けていることにある。米国で新型コロナウイルス感染症の流行が依然続いており、米国経済の回復にはまだ一定期間がかかるため、短期的に中米金利差が高止まりし、今後数カ月、海外機関投資家による中国債券の買い増しは続くだろう」との見解を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年9月5日