税関総署が発表した最新データによると、10月の中国の貿易額は2兆8400億元で前年同期比4.6%増加した。6月から5カ月連続のプラス成長となる。うち輸出額は1兆6200億元で7.6%増、輸入額は1兆2200億元で0.9%増、貿易黒字額は4017億5000万元で34.9%増。国内外のプラス要素が蓄積され、通年の貿易は安定した成長を続けると分析されている。
全体を見ると、今年1~10月の中国の貿易総額は25兆9500億元で1.1%増加。うち輸出額は14兆3300億元で2.4%、輸入額は11兆6200億元で0.5%減、貿易黒字額は2兆7100億元で16.9%増だった。
安定した増加を維持すると同時に、中国の貿易構造がより合理化され、一般貿易額の増加と割合の上昇も見られる。今年1~10月の中国の一般貿易額は15兆6000億元で2.8%増加し、貿易総額に占める割合は60.1%で前年同期より1ポイント上昇した。うち輸出額は8兆5100億元で4.8%増、輸入額は7兆900億元で0.5%増。同時期の加工貿易額は6兆900億元で6.2%減だった。
一般貿易額の大幅増は貿易構造の合理化の原動力になると分析されている。興業証券のチーフエコノミストの王涵氏は、3月以降、一般貿易は中国の輸出回復の原動力になっていると話す。一般貿易額の前年比伸び率は、3月はマイナス4.5%と低水準だったが、10月に16.8%に回復した。1~10月の一般貿易額の伸び率は2.8%に回復し、中国の輸出額に占める割合は約60%になり、前年同期比で約1ポイント上昇した。同時期の原料輸入委託加工貿易は前年同期比マイナス7.5%、無償支給原料委託加工貿易はマイナス14.7%で、いずれも大きなマイナスとなった。コロナ後の輸出回復において、付加価値の高い一般貿易は回復が速く、中国の貿易構造の改善に繋がった。
市場主体を見ると、民間企業の貿易額の増加が目立ち、貿易の「安定器」としての役割を果たしている。統計によると、民間企業の貿易額は12兆元で10.5%増加し、貿易総額に占める割合は46.2%で前年同期比3.9ポイント上昇した。うち輸出額は7兆9400億元で10.9%増、輸出総額に占める割合は55.4%、輸入額は4兆600億元で9.7%増、輸入総額に占める割合は35%だった。
貿易は通年で好調な動きを維持すると分析されている。交通銀行金融研究センターのチーフ研究員の唐建偉氏は、鉄鉱石や大豆などの大口商品の輸入量と額がともに増加したことは内需が弱くないことを示すとの見解を示した。10月のPMI輸入指数は50.8%で前月比0.4ポイント上昇し、2カ月連続で臨界値を上回った。国内消費と生産ニーズの回復に伴い、輸入は好調な状態が続くとみられる。
王涵氏は、世界の産業チェーンの回復が断たれることは考えにくく、輸送費データは回復段階にあり、外需の粘り強さは保たれ、輸出入の粘り強さも続くとの見解を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年11月15日