英『デイリー・テレグラフ』は11月30日、「新型コロナワクチンが世界各地で中国の『ソフトパワー』を強化する」というタイトルの記事を掲載した。パキスタンでは新型コロナウイルス感染者数が再び急増し、ボランティアが中国製ワクチンの注射を打ち始めた。報道によると、ワクチン試験が成功すれば、パキスタンは100万本のワクチンを優先入手できるという。
パキスタンと他のアジア諸国は中国の大規模な投資を受け入れ、道路、港湾、鉄道、発電所の建設を進めている。現在、新型コロナウイルス感染症が中国政府に新たなソフトパワー・ツールを提供し、中国は医学的な専門技術を生かして世界に対する大志を強めた。こうした中、各国は中国人科学者のワクチン試験に協力し、それと引き換えに医薬品上市後にシェアすることを期待している。
中国は、国連が支援する新型コロナウイルスワクチン世界分配計画に参加している。米トランプ大統領は同計画への参加を拒否したが、当選が確定していないバイデン氏が戦略を変えるかどうかは不透明だ。
中国はワクチン外交を進めているが、これは中国自身を助けることでもあり、周辺国が感染症流行から抜け出せば中国の安全性も増す。
香港大学衛星岳教授のベンジャミン・カウリング氏は、中国の新型コロナウイルスワクチンの研究開発がウイルス不活性化の成熟した方法を採用し、新たな遺伝子技術ではないため、中国のワクチンはより安価で生産しやすいと説明。「多くの国が、中国のワクチンに興味を抱き、中国のワクチンメーカーも市場参入に意欲を持っている」と話した。
同氏は、中国の製造力が向こう数カ月に必要とされる大量のワクチン生産にとって非常に貴重なものになると指摘。今後2年間で世界のワクチン需要は100億本に上る見込みで、西側メーカーでは対応できない。「つまり、中国の製造能力には大きな価値があり、欧州だけでなく、パキスタン、アフリカ、世界各地に貢献する」としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年12月6日