北京生物製品研究所の個別包装ラインで3日昼、従業員が24ケースの新型コロナウイルス不活化ワクチンが入った段ボールを白いテープで梱包し、慎重に背後の台車に置いたーこれは中国初の新型コロナ不活化ワクチンが生産ラインを出る前の最後の一歩だ。中国生物高バイオセーフティレベル生産ラインの年産は現在、10億本に達するとみられている。
国家薬品監督管理局は先月30日、国薬集団中国生物北京生物製品研究所の新型コロナ不活化ワクチンの条件付きでの販売開始を法に基づき承認した。春節前に第1陣・延べ5000万人の接種を完了できるようにするため、この生産ラインでは多くの人がすでに数カ月も奮戦している。基準を満たす新型コロナワクチンの早期販売、これが彼らのたった一つの目標だ。
北京生物製品研究所高バイオセーフティレベル生産ラインは24時間連続で稼働している。数十人の従業員が3班態勢で勤務し、負圧環境で働いている。細心の注意を払いウイルス培養、不活化、濃縮、純化などのワクチン生産における重要工程を終えている。
北京生物製品研究所新型コロナ不活化ワクチン生産責任者の張晋氏は、「工人日報」の記者に「P3レベル生産ラインの建設の主な目的は、バイオセーフティの保証だ。P3実験室のバイオセーフティレベルは非常に高く、3層の防護を採用している。すべての設備の気密性をしっかり保証し、生産ラインの環境もマイナス50−60パスカルにしなければならない」と話した。
張氏によると、P3生産ラインに入る従業員は厳しい訓練を受け、証明書を提示し、さらに高い身体的素養を持たなければならない。
張氏は「ウイルス接種隔離装置は腕を中に入れて操作する必要があり、そのためすべての生産人員の身長は178センチ以上だ。身長が足りなければ腕が届かない可能性がある。負圧条件下で分厚く重い帽子とマスクを着用して働くのは非常に辛いため、20−35歳の健康的で力のある若者を選ぶ。各班の作業時間を4時間以内にしなければ、酸欠を感じることがある」と説明した。
ある看板には「2020年5月29日」という、ここの着工日が記録されていた。張氏は「P3生産ラインは着工から竣工まで2カ月もかからなかった。誰もが1日で2日分働くことで、このペースを実現した」と述べた。その隣にはさらに大きな生産ラインがあり、今年2月に正式に稼働開始する。これにより生産規模がさらに拡大する。
急ぎながらも質を保たなければならない。ワクチン生産ラインの稼働開始後、北京市薬品監督管理局は4人の中堅検査員を企業に派遣し、新型コロナワクチンの生産の全フローを監督している。北京市薬品監督管理局第3分局薬品生産2科の張鸝科長は「生産の部分だけではなく、ワクチンの倉庫保管条件、輸送温度、接種地点でのワクチンの品質を監督管理することで、ワクチンの品質を最大限に保証しなければならない」と説明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年1月6日