世界経済回復を妨げる6大問題

世界経済回復を妨げる6大問題。しかし脆弱なサプライチェーン、安全リスク、不均衡な発展、保護貿易主義などが依然として、世界経済の持続可能な回復を妨げる…

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発信時間:2021-04-08 15:27:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

 安全問題 一度の衝突で石油価格が激震


 国営石油会社サウジアラムコの石油施設が3月7日、攻撃を受けた。ロンドンのブレント原油価格が約1年ぶりに1バレル70ドルを突破した。イエメンの武装勢力フーシはその後、石油施設などの標的に「より激しい攻撃」を仕掛けると宣言した。石油供給に深刻な影響が生じ、世界の経済成長を妨げることが懸念されている。


 サウジアラビアの重要な原油施設が2019年9月、無人機により攻撃された。原油生産量の約半分に影響が生じ、ブレント原油価格が20%弱急騰した。今年3月以降、イエメン危機などを始めとする中東情勢に再び波乱が生じ、地域安全及び地政学の国際原油価格への影響が再び浮き彫りになった。


 オランダのING銀行の関係者は「石油施設を狙った攻撃の頻度がやや上がっており、リスクにより原油価格が上がる流れが始まっている」と述べた。


 不均衡の問題 経済回復の強靭性を落とす


 世界経済の全体的な回復の見通しが良好になってきているが、地域発展の不均衡が懸念されている。多くの経済体は、少数の先進経済体のような大規模な刺激策を打ち出す余裕がなく、経済不均衡による二次的な衝撃も控えている。


 IMFのゲオルギエバ専務理事はこのほど、「各経済体内及び地域間の回復の先行きには現在、危険な二極化が生じている」と述べた。経済協力開発機構は3月上旬、米国の予想以上の回復はインフレマインドを強め、米国の国債利回りを上げ、新興市場の資本流出を引き起こすと警鐘を鳴らした。


 国連貿易開発会議グローバル化開発戦略部ディレクターのリチャード・コズル・ライト氏は「世界経済はK字回復の流れを示す可能性がある。つまり一部の経済体が好調だが、多数の経済体は従来よりさらに不安定になる。この世界経済成長モデルは強靭性が低く、持続できない」と述べた。


 保護主義の問題 世界経済回復の基礎に揺らぎも


 世界経済は過去1年で重傷を負い、世界経済・貿易の「一者が栄えれば皆栄え、一者が傷つけば皆傷つく」とう特徴が浮き彫りになった。感染症により一部の経済体が財政の圧力に直面し、保護主義の傾向をある程度強めたことが懸念されている。


 多くの経済学者は、グローバル化は世界経済の強靭性を高めるが、不幸にもサプライチェーンの問題と経済の衝撃のスケープゴートになったと見ている。保護主義の傾向が抑制されなければ、世界経済回復を妨げる重要な要素になりうる。


 米ジョージタウン大学ウォルシュ外交政策大学院の教授は、少数の先進国は保護主義によりサプライチェーンの安全を守ろうとしているが、これは自らがより大きな損失を被るだけだと述べた。


 「エコノミスト」誌は、各国がグローバル化の問題で後退すれば、世界経済は深刻な被害をこうむり、さらに予測できない新たな問題が生じるとの見方を示した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年4月8日

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