中国では農村振興に向けた取組が全面的に推進されるのに伴い、巨大な消費と投資の需要が喚起されつつあり、今後の金融産業の発展につながると期待されている。これについて、中国農業農村部・科学技術部・農業銀行などの複数部門が相次いで政策を打ち出し、現代農業テクノロジーや種苗産業などの重点分野に焦点を当て、持続的に金融支援を強化している。専門家は、今後はトップダウン設計をさらに強化し、農村振興に向けた金融支援に関する実施意見や行動計画を系統的に策定し、タイムテーブルやロードマップの作成を急ぐべきだと提起した。
中国農業農村部と中国農業銀行は今年3月、農村振興に向けた金融サービスに関する作業部会を開いた。農業農村部は引き続き中国農業銀行との協力を深め、常時連絡メカニズムを構築し、情報資源の共有を強化、共同で調査研究を実施するとともに、「三農」の融資難・融資コスト高騰問題の解消方法を共に模索、農村振興に向けたより良い金融サービスを推し進める方針だ。
中国銀保監会は4月に「銀行業・保険業の農村振興に向けた質の高いサービスに関する通知」を発表し、8つの側面から取組の要件を提起した。具体的には、◇金融サービス供給体制とサービスメカニズムの最適化、◇重要分野における金融商品の供給強化、◇農村信用システムの構築強化、◇保険による保障作用の発揮、――など。
これと同時に、中国人民銀行(中央銀行)は農業農村部などと共同で、江蘇省・安徽省・福建省など9地域で「金融テクノロジーによる農村振興モデルプロジェクト」を始動。次世代ITを活用し地域の状況に合った農民のための金融商品やサービスの構築を模索、農業の現代化レベル・農村金融のキャパシティ・農民向け金融サービスの利用度を全面的に引き上げる考えだ。