シンガポール紙「ザ・ストレーツ・タイムズ」によると、絶対的貧困の解消を宣言した中国は、長年に渡り「小康社会の全面的構築」に注いできた力を「農村振興の推進」という次のステップに振り向けている。今年2月21日に発表された2021年の中央1号文書である『農村振興の全面的推進と農業及び農村の現代化加速に関する中共中央と国務院の意見』は、「民族は復興すべき、農村は振興すべき」と指摘し、社会全体の力を結集し「農業の質と効率を上げ・農村を住みやすく働きやすく・農民を豊かに」するよう促すべきと要求した。
中国の農村振興が全面的に推進されるのに伴い、その具体的手法が世界各国から注目されている。ナイジェリア紙「リーダーシップ」は、「人的資源が中国の農村振興で重要な意義を持つ」と指摘。現在、中国には1700万人を超える優秀な農業従事者がいるとされる。中国の農民の科学的リテラシーの向上は、農民全体の発展のための強固な基盤となり、農村経済の振興を力強く支えている。中国各地では農家の技術習得を促すための新しい政策措置が打ち出されている。◇山東省は、職業農民(プロフェッショナルな農民)のために専門職称号制度を整備。◇江蘇省昆山は、職業農民が大学教育を無償で受けられるよう支援。◇甘粛省は、農業専門協同組合の組合長や動物防疫コーディネーターに研修を行うなど、技術を現場に普及させ、農業生産での現実的な問題を解決していく考えだ。
「中華人民共和国は、絶対的貧困の解消に成功した。これは『持続可能な開発のための2030アジェンダ』に描かれている、より素晴らしく豊かな世界の実現につながる大きな成果だ。この成果は、最も貧しく弱い人々が置かれた状況を改善するには政府の政治的コミットメントと政策の安定性が不可欠であること、イノベーション主導のグリーンでオープンな開発モデルがすべての人に利益をもたらす大きなチャンスであることを証明している」。 国連のグテーレス事務総長が述べたように、中国の農村振興の経験は、より多くの発展途上国の参考となる。中国の農村振興の壮大な青写真はまた、国際社会を勇気づけるものとなる。
日本の鳩山由紀夫元首相はメディアのインタビューで、「貧困問題は世界的な問題であり、貧困との闘いは人類共通の課題である」と語った。貧困問題には多くの発展途上国が悩まされているだけでなく、先進国も解決する必要がある。世界の人口の約5分の1を占める大国である中国の貧困撲滅の成果は、世界の模範となり、世界の人々を大きく鼓舞する。中国が農村振興を成功させれば、中国の農民の生活が豊かになるだけでなく、中国の食糧安全保障や生態文明建設の促進にもつながる。
「今日、中国の農村は大きく変化しており、住民のライフスタイルも変化している」。英フィナンシャルタイムズは、「中国の農村は興味深く魅力的な場所だと、多くの人々が感じるようになるだろう」と報じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年6月12日