火星ローバー「祝融号」、水と氷の探査を展開

火星ローバー「祝融号」、水と氷の探査を展開。5月15日に火星着陸に成功してから8月15日まで、火星ローバー「祝融号」の滞在期間は火星の丸90日にのぼり、累計889メートルを走行した…

タグ:火星ローバー「祝融号」 

発信時間:2021-08-23 15:13:14 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 5月15日に火星着陸に成功してから8月15日まで、火星ローバー「祝融号」の滞在期間は火星の丸90日にのぼり、累計889メートルを走行した。その間、祝融号はすべての科学ペイロードの電源をオンにし、携帯している装備を使い探査活動を掘り下げ、約10GBの生データを入手した。与えられた巡視・探査任務を順調に完遂し、拡張任務実施段階に入った。人々が火星をより良く認識し、火星の秘密を明らかにするため優れた貢献を成し遂げた。

 

 優れたコンディション

 

 予想以上のパフォーマンスも

 

 初の火星探査任務の探査機システムチーフデザイナーの孫沢洲氏によると、祝融号の設計上の寿命は火星の90日で、現在はすでにこの期間を超えて活動している。しかし各方面の状況はとても優れており、予想通り、さらには一部が予想以上のパフォーマンスとなっている。

 

 孫氏はさらに、次のように説明した。祝融号はエネルギー供給が非常に十分で、予想以上だ。その安全運行を保証する最大の重要部分である熱制御についても、祝融号の関連技術は太陽エネルギーを効率的に熱エネルギーに変換し、火星の夜間も理想的な温度水準を保てる。

 

 祝融号の着陸エリアは気候・気象環境が比較的良好で、その「生存」と探査展開に比較的良好な条件を提供した。中国初の火星探査任務の地上応用システムチーフデザイナーの劉建軍氏によると、現在の火星は春から夏に移り変わる時期で、気温と風速が相対的に適度なため、火星ローバーの巡視・探査に適した環境を提供している。

 

 探査データによると、祝融号の昼前後の活動時間の気温は氷点下20度から氷点下10度ほどで、風力は毎秒2-8メートルのそよ風だ。天気が良く、火星探査に適している。

 

 豊富な収穫

 

 6台のペイロードが10GBのデータを形成

 

 火星軟着陸から90日以上に渡り、祝融号は「7日を1サイクルとし、1日ごとに計画を立て、毎日探査を行う」という高効率の探査スタイルにより、巡視・探査活動を展開している。

 

 劉氏によると、祝融号に搭載されている6台の科学ペイロードが大活躍している。うち火星気象測量器は火星表面の温度、圧力、風、音声などの時間的・空間的変化を観測する。火星ローバー表層探査レーダーは火星土壌の地下の分層及び厚さの測定に用いられる。火星ローバーの移動中に持続的に地下物質の大小及び分布の特徴を探査し、かつ垂直・水平方向で地下分層構造、地下水・氷及び揮発物質の分布を調べる。

 

 また火星表面成分探査器、マルチスペクトルカメラ、ナビゲーション・地形カメラ、火星表面磁場探査器などは、祝融号が停車しその場での探査を展開する際に大活躍する。

 

 上述した6台の科学ペイロードは現在まで、10GBの生データを取得している。

 

 情報によると、科学ペイロードが取得したデータはすでに関    連処理・品質確認作業を完了し、かつ標準的なデータ製品を形成している。中国月・深宇宙探査ネットワークは現在、国内の科学研究チームからデータ申請受付を開始しており、今後は1カ月単位で科学データを発表する。

 

 劉氏は「これらの効果的なデータを関連分野の科学者に提供することで、祝融号探査エリアの地質状況への理解を深め、特にユートピア平原にかつて海が存在したかに関する証拠についてさらに調べたい」と述べた。

 

 水と氷を求めて

 

 野心的な拡張任務

 

 予定の巡視・探査任務を完了し、耐用期間を延長し活動中の祝融号は野心衰えず、今後の拡張任務段階でさらなる活躍を目指す。現在の良好なコンディションに基づき、祝融号は高効率探査モードを維持する。

 

 劉氏によると、周回モジュールが祝融号と協力し、着陸エリア以外で水や氷の存在を探る。「一部の重点探査エリアについて、科学研究チームはすでに関連計画を立てている。また科学研究チームは全国及び世界の火星研究に従事する科学者を招き、今後のリモートセンシング探査の対象を挙げてもらう。例えば水や氷が存在しうるエリアで、的を絞った重点的な探査を展開する」

 

  「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月23日


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