税関総署はこのほど、中国の1～8月の貿易「成績表」を発表した。8月の貨物輸出入総額は3兆4300億元で前年同期比18.9%増加し、過去最高を記録した。上半期の低基数の効果は薄れつつあるが、最近2カ月の中国の貿易は依然として良好で、多くの困難がある中で比較的安定した。これは、中国の製造業の粘り強さによるものといえる。

　過去1年以上、新型コロナウイルスの流行は世界の物流チェーンと産業チェーンに連鎖反応をもたらし、貿易業を大きく変動させ、スエズ運河渋滞などの予想外の出来事は貿易業界の複雑な局面に拍車をかけた。一部の貿易企業、特に輸出企業は注文殺到という喜びを感じながらも、水上輸送費の大幅上昇によるコンテナ不足にも直面し、自動車や電子などの業界はチップの供給不足に悩まされた。今年に入り、一部の国の金融緩和策などの影響で、大口商品価格は上昇し続け、プラスチック、紙パルプ、金属鉱砂などの製造業の原材料価格の高騰は輸出企業の利益を圧迫している。

　様々な困難に面し、我々は貿易に対して慎重な予想を維持すると同時に、多くのマイナス要素がある中で中国の貿易の良好傾向は変わっていない点にも目を向ける必要がある。中国の貿易は15カ月連続で前年比プラス成長となり、うち輸出は昨年4月から17カ月連続で成長している。その裏で、昨年3月から、中国の製造業購買担当者景気指数（PMI）は18カ月連続で拡大し、比較的高い景気水準を維持し、貿易に十分な原動力と強大な支えを提供した。また、多くの企業と工場が迅速に需要に対応し、構造調整や困難対応に努め、世界でカテゴリが最も揃った製造業産業チェーンとして比較的高い生産能力を示した。

　中国の製造業の変化対応能力の高さは、粘り強さによるものといえる。2020年初め、中国の製造業はダメージから迅速に回復し、防疫物資不足という状況に対し、多くの企業がマスクなどの商品の生産に切り替え、国内の需要を満たしただけでなく、マスクなどの防疫物資は長期にわたり輸出の成長分野の1つとなった。海外の外出自粛に伴い、中国の家電企業は生産ラインを高速で稼働し、世界の関連の消費ニーズを保障した。2020年、中国の輸出の世界シェアは過去最高を記録した。

　中国の製造業は「助け舟」を待つのではなく、積極的に問題を解決している。例を挙げると、国際水上輸送とコンテナ不足が製造業の輸出を妨げるという状況を受け、中国は多くのコンテナを製造し困難を解決し、輸出コンテナを大幅に増やした。今後、国際水上輸送費が高止まりし、原材料価格の上昇が製品サイドに波及する可能性もあり、中国の製造業は不安定な環境に直面しているが、粘り強さを見せている。これは、中国の貿易業が安定して長期的に発展するうえで底力となる。

　｢中国網日本語版(チャイナネット)｣2021年9月21日