宇宙貨物船「天舟3号」を運ぶ「長征7号遥4」ロケットが北京時間20日午後3時10分、文昌航天発射場から打ち上げられた。200個超の小包、6トン弱の貨物を満載して出発した。天舟3号の関連状況について、天舟3号チーフエンジニア補佐の方方氏にインタビューを行った。「中国中央テレビアプリ」が伝えた。

　Q　天舟2号と天舟3号の貨物にはどのような違いがあるのだろうか。

　A　天舟3号が運ぶ宇宙飛行士の生活物資は、天舟2号及び以前の種類と同じで、主に宇宙食、水、衣料品、それから乗組員の設備、軌道上の消耗品が含まれる。ただし任務計画が違うため数が異なる。天舟3号は神舟13号の乗組員に貨物を提供するが、乗組員が宇宙に6カ月滞在するため、天舟2号の（滞在期間の）2倍になる。特に食品、水、生活用品などは天舟2号の3倍だ。天舟3号が今回運ぶ宇宙飛行士の生活物資は3トンを超える。

　Q　天舟3号が運ぶ食品について、宇宙飛行士に意見を求めるのだろうか。

　A　宇宙飛行士の意見を求め、彼らの好みに基づき食べ物を準備する。中国の有人宇宙事業は常に人中心だ。宇宙飛行士は宇宙でしっかり働くだけでなく、快適に暮らさなければならない。食品の賞味期限は2年なので、6カ月ならば問題ない。

　Q　神舟13号の女性宇宙飛行士のため、どのような特殊物資を用意したか。

　A　女性向けの衣料品、それから衛生用品、化粧品などを特別に準備した。

　Q　将来的に「宇宙の配達」はどのように発展するか。

　A　今後は貨物船の能力を拡大する。大量の貨物が大型貨物船によって運ばれる。同時に一部の小型貨物輸送システムを導入し、柔軟に貨物を輸送する。そのほか、春節は中華民族の重要な祝日であるため、天舟3号は今回、宇宙飛行士のために春節の用品を準備した。

　Q　天舟3号は神舟13号の乗組員のためどのような緊急物資を運んだか。

　A　天舟3号は宇宙ステーションに大量の緊急物資を運んだが、これには主に次の2種類が含まれる。

　（一）宇宙飛行士3人の45日間の緊急生活物資。天舟2号は宇宙飛行士3人の45日間の緊急生活物資を十分に送ったが、天舟3号は数百キロの水を補給した。これは水が重要だからだ。

　（二）貫通もしくは圧力損失など船体に緊急事態が生じた場合のため、負圧ガスを十分に用意した。来年はさらに2隻の貨物船と2隻の有人宇宙船を打ち上げる。密封空間が拡大し、ガスの需要がやや増加するため、事前に負圧ガスを運んだ。

　｢中国網日本語版(チャイナネット)｣2021年9月22日