中国工程院の劉忠民院士(アカデミー会員)は、二つの脱炭素目標を達成するには、エネルギーの低炭素化の促進が不可欠だと指摘。化石エネルギーのクリーンで効率的な利用や、複数の再生可能エネルギーの相互補完、低炭素・ゼロカーボン産業のプロセス・リエンジニアリング(業務フローの再構築)、低炭素化・スマート化による複数エネルギーの融合といった道筋を辿って達成できるとの認識を示した。
中国工程院の杜祥琬院士は、いかにして新エネルギーを主軸とした新電力システムを構築するかについて、その供給源を主に風力や太陽光などの新エネルギーとし、複数のエネルギー源による供給を協調的・補完的に拡充することで、送電側はスマートグリッドと配電網を観察・測定・制御でき、送電網の柔軟性を高めることができると指摘。同時に、物理的・化学的なエネルギー貯蔵技術と水素エネルギー技術を組み合わせて、「近隣からの調達」と「分散型」のエネルギー方式を強化し、中部・東部のエネルギー自給率を高めるべきだとの認識を示した。
このフォーラムは、「カーボンニュートラルに向けた科学技術革新への道」をテーマに中国科学院が主催したもので、「二つの脱炭素」目標のもと、中国の将来の経済・社会発展のニーズと、科学技術の歩むべき道を明らかにすることを目的としている。技術的なボトルネックの打破や、分野を跨ぐ交わりの実現、包括的な技術体系の確立など、中国が二つの脱炭素目標を達成できるよう支援する狙いだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年9月30日