ロボットは今やますます速いペースで私たちの生活に溶け込んでいる。ホテルでは問い合わせに応じたり荷物を運んだりするサービスを提供し、レストランでは料理を運び、工場では貨物を運搬し、手術室では精細な操作を担う……。「経済日報」が伝えた。
中国機械工業連合会(CMIF)の執行副会長で、中国ロボット産業連盟の執行理事長を務める宋暁剛氏は、「中国のロボット産業は急速に勢いよく発展しており、今や重要な転換期にさしかかった。第14次五カ年計画期間には、中国独自のロボットブランドがこのチャンスをつかまえ、産業チェーンの弱い部分を早急に補完して、『ボトルネック』となっている問題を解決し、質の高い発展を実現する必要がある」と述べた。
応用シーンが徐々に成熟
中国のロボット研究開発の歴史は1970年代に遡ることができるが、産業化プロセスが始まったのは2010年以降のことだ。産業化に牽引されて、産業全体が急速発展の段階に入った。
工業・情報化部(省)の辛国斌副部長は、「中国の産業用ロボット市場は8年連続で世界一の座をキープし、2020年のロボット設備の導入量は世界全体の44%を占めた。同時に、サービス用ロボット、特殊ロボットの発展のポテンシャルが発揮されるようになり、20年は全国の一定規模以上(年売上高2000万元<1元は約17.6円>以上)のサービス用ロボット及び特殊ロボットのメーカーの売上高が前年同期比41%増の529億元に達した。
宋氏は、「現在、中国独自ブランドのロボットは研究開発・設計、基幹部品、完成機の集積応用、基準・テスト・認証など各方面で整った産業チェーンを基本的に形成し、量が多く範囲が広い中国工業の基本的ニーズをほぼ満たしている」と述べた。
宋氏の分析によれば、中国は製造業の規模が世界で最も大きく、工業分類が最も整い、質の高い製造へと発展する能力と基礎がすでに備わっている一方で、中国の人口ボーナスが低下し、人件費が上昇するのに伴い、各産業はスマート化へのモデル転換を迫られるようになった。質の高い発展とモデル転換の過程で、中国製造業ではロボット産業に対する極めて大きな市場ニーズが生まれた。また新型コロナウイルス感染症が発生したことで、無人化や少人数化の流れがより一層明確になり、ロボットに対する市場ニーズがさらに大きくなった。
サービス用ロボットの分野では、スマート社会とスマートホームの2つの主な方向性に成長の勢いが見える。
宋氏は、「中国は人口大国で、社会でのサービスにしろ家庭でのサービスにしろ、潜在的な市場がはっきりと見えている。ますます多くのサービス用ロボットが家庭に入り込んで、掃除や教育、つきそいなどの任務を担うようになり、サービス用ロボットはこれから急速に爆発的成長を迎えることになるだろう」と述べた。
ロボット産業のリーディングカンパニーである新松ロボット自動化股份有限公司の曲道奎総裁は、「ここ数年でロボットはサービス、医療、健康、教育、セキュリティなどの分野で徐々に発展し拡大してきた。今後はこうした市場の規模が産業用ロボット市場を急速に上回る可能性が高い」との見方を示した。