半導体産業の支配に向けあらゆる手を尽くす米国

半導体産業の支配に向けあらゆる手を尽くす米国。米国は非常に明確な2つの策を講じた。まずは自国の半導体メーカーの発展を促進し、次に世界のその他の半導体メーカーの完全な掌握を試みた…

タグ:半導体 製造 支配 企業

発信時間:2021-10-18 11:32:15 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米政府がサムスンなどの企業に、在庫量、顧客からの受注、販売記録などの商業上の機密情報を45日内に提供するよう求めた件について、駐米韓国大使はこのほど、企業が高度の機密情報を「軽々しく提供することはない」と表明した。米国の商務長官は、チームは「国防生産法」もしくはその他のツールを使用する可能性があると警告した。「強制的なことは何もしたくないが、彼らが応じなければ他に選択肢はなくなる」(筆者・項立剛情報消費連盟理事長)


 世界の自動車及びその他の業界に影響する半導体不足の問題を解消するため、米当局は9月末にインテル、TSMC、アップル、マイクロソフト、サムスン電子などの主要半導体メーカーとオンライン会議を開いた。これらの大手は米国からの受注や支持を受けたのではなく、重要な商業機密の提供を強いられた。TSMCとサムスンが真っ先に槍玉に上がった。米商務省は会議後に問題リストを発表し、関連企業に対して11月8日までに回答するよう求めた。


 米国及び子飼いの経済学者は長期的に、「市場経済」の旗印を掲げながら政府は経済に干渉しないと唱えている。それは暮らしぶりがまずまずで、公平や正義という旗印を掲げられるだけで、本当に根本的な利益と関わる場合は旗印どころか本性を剥き出しにし、完全に遠慮知らずだ。


 米国の全世界への略奪を支えるのはまず軍事、次に金融、それからハイテクだ。この3つの能力はかつて相互支援・協力し、天下を独り歩きした。しかしこの3つの能力は実体経済という最も確かな支えを失った。こうして米国は徐々に空虚になった。このような「水太り」はまた、徐々にその軍事、金融、ハイテクの発展に悪影響を及ぼすようになった。


 米国はかつて世界の半導体大国だった。当時の半導体産業の運営モデルはIDMで、設計・製造・パッケージングが一体化されていた。このモデルにおいて、米国は世界の半導体産業を完全に掌握し、半導体産業の当然のリーダーになった。しかしこのモデルの半導体製造はエネルギーと水資源を大量に浪費し、大きな環境汚染を生む。しかも巨額の投資が必要で、黒字化にかかる時間も長く、投資の効率が低くリスクも大きい。米国はこの骨折り損のくたびれ儲けが嫌になり、80年代中頃から徐々に半導体の製造及びパッケージングの部分を海外に移転した。かつてパソコンや携帯電話などの産業において、完成機市場により活路を開いた韓国及び中国台湾の企業は徐々に、この部分の半導体製造能力を引き受けた。米国の半導体販売は昨年、全世界の47%を占めたが、米国製は12%のみだった。これはある意味、米国が半導体分野で他国の顔色を伺う必要があるということだ。


 今日の世界経済の競争において、米国が全面的な主導権を握る分野はもうそれほど多くない。競争において主導権を握り、半導体分野への絶対的な支配権を維持することは、米国にとって必要な戦略だ。こうすることで米国は初めて自国の覇権を維持し、引き続き他国から略奪することができる。


 実際には、米国は半導体設計で有利な地位を占めているが、半導体製造ではすでにある程度立ち遅れており、当然ながら絶対的な支配などは不可能だ。米国の半導体分野における支配的な地位を維持するため、米国は非常に明確な2つの策を講じた。まずは自国の半導体メーカーの発展を促進し、次に世界のその他の半導体メーカーの完全な掌握を試みた。米国に移せるものはすべて米国に移し、移せないものについては各種手段によりその首を絞める。韓国と中国台湾の企業は最終的にこのような運命を避けられない。


 米国の圧力を受け、TSMCは米アリゾナ州で工場を建設しており、サムスンもテキサス州で170億ドルをかけ新たな半導体工場を建設することを検討中だ。これらの工場は2024年に稼働開始を予定している。新しい半導体工場は建設費がかかり、効率が低く、予定通りに稼働開始し利益を生み出せるかも未知数だが、半導体企業は恨み言を言うしかない。米国が本件で譲歩することはない。米政府はさらに増長し、工場建設を求めるばかりか半導体メーカーに重要な商業機密の提供を求めている。将来的に米国が彼らにどのような手段を用いるかは不明だが、これが世界の半導体産業を絶対的に支配するためであることは明らかだ。米国はどのような手段でも講じる。自国の同盟国に対してもまったく遠慮しない。米政府には、政治と軍事の強国でなければ中核産業の主導者になる資格はないという論理がある。


 中国はいかなる幻想も抱かず、取り組みを強化し自国のチップ生態を構築するべきだ。こうすることで初めて安全と未来を手にすることができる。中国は整った産業チェーンを保有できる。中国の巨大な市場も自国の産業チェーンを支えられる。より重要なことは、我々が独立自主の国であることだ。

 

  「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年10月17日

 

 

 

 

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集     中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで