貿易戦争が長引くと、企業はこの二者の選択のバランスを保ち難くなる。企業が破産のリスクに直面すればこのコストを消費者に転嫁するしかない。また企業がこのコストを受け入れると、企業自身の発展、新たな雇用の創出、自身が置かれているコミュニティの投資が難しくなる。これは経済発展の潜在力を制約する。これらのコストは現在生じているサプライチェーンの混乱を激化させるばかりだ。

　ジャネット・イエレン米財務長官は今年の早い時期に、関税は「米国の消費者を傷つける」と指摘したが、その通りだ。今やバイデン政権は、トランプ氏が3年以上前に発動し米国経済を損ね続けている、貿易戦争という間違った方法を是正する機会を手にしている。

　バイデン政権は最近報じられているような、さらなる追加関税を検討するべきではない。イエレン氏の意見に耳を傾け、速やかに貿易戦争を終わらせるべきだ。新たな追加関税は役に立たず、米国経済の痛みを増すばかりだ。米国人は貿易戦争から離れるべきだ。貿易戦争は当然ながら続ける必要がなく、ましてや拡大する必要もない。

　バイデン政権はその対中貿易戦略を検討する際に、ためらうことなく前政権が残した関税を撤廃するべきだ。新型コロナウイルスの影響を終わらせようと取り組むなか、こうすることで米国経済に今最も必要な推進力を与えることができる。物価がゆるやかに上昇するなか、関税撤廃はさらに重要な物価上昇の要因をなくし、米国の経済回復が直面している主な脅威の一つを弱める助けになる。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2021年11月21日