外資導入は一国の開放水準を見る「窓」であり、一国の経済の活力を反映する「バロメータ」でもある。
中国の外資導入は今年に入り2桁台の成長を維持している。最新の外資導入「成績表」によると、中国の1-11月の実行ベース外資導入額は1兆元を突破し、すでに昨年通年を上回っている。今年は近年としては初の2桁台の成長が見込まれている。
より多くの外資、より優れた投資構造、揺るぎなき投資の自信。世界の主要金融機関及びシンクタンクが世界経済の成長率の予想値を引き下げるなか、外国企業の対中投資は減るどころか逆に増えている。これは中国経済の「安定しつつ前進」を鮮明に反映している。中国市場に期待し力を入れる外国企業も、新たなチャンスをつかみ、より大きな発展スペースを手にする。
BMWグループの世界最大の生産ライン(塗装ラインと総組立物流ライン)が今月上旬、瀋陽華晨BMW鉄西新工場で完成し、検収に合格した。これは中国市場に期待し、投資の揺るぎない自信を持つBMWが、再び実質的な一歩を踏み出したことを意味する。
世界的な感染拡大にも関わらず、揺るぎなき姿勢で中国に投資し事業展開するのはBMWだけではない。商務部が先ほど発表した外資導入データによると、中国の今年1-11月の実行ベース外資導入額は前年同期比15.9%増の1兆4220億元で、昨年通年の9999億8000万元を上回った。
外国企業の対中投資の熱意は、次の過密スケジュール表から感じることができる。
サウジ基礎産業公社と福建石化集団が8月、合弁契約を結んだ。双方は世界レベルの大型石油化学コンソーシアムの投資・建設・運営を行う。
医薬品外資トップ500社のメドトロニックは10月に投資協定に署名し、最新の医療テクノロジー産業拠点を上海に設立することになった。
エクソン・モービル恵州エチレンプロジェクトが11月、全面的に建設段階に入った。
HSBC銀行(中国)有限公司海口支店が12月に営業開始を発表し、海南自由貿易港にとって初の国際銀行になった。
外資が持続的に中国に押し寄せている。非金融プロジェクトへの投資だけではなく、金融分野への投資も多い。複数の金融機関が事業展開を急ぎ、中国経済へのさらなる期待感を示している。
中国国際経済交流センター経済研究部の劉向東副部長は、「市場とチャンスのある場所に資本が流れる。これは中国経済の安定成長と将来性を力強く証明している」と述べた。
取材に応じた多くの外資系企業は、中国での事業展開を続ける重要な理由として、中国の効果的な感染対策、中国経済の安定しつつ好転のファンダメンタルズと中長期発展のビジョンを挙げた。
世界は中国経済の安定性を目にしている。世紀の感染症の衝撃を受け、中国は昨年、世界で唯一プラス成長を実現した主要経済体になった。中国経済は今年も穏健に回復し、経済発展と感染対策で世界トップの地位を保った。
国際機関は世界経済の成長率の予想値を引き下げると同時に、中国の来年の経済成長への自信を示している。国際通貨基金による来年の中国の経済成長率に関する最新の予想値は5.6%で、世界の成長率の予想値を0.7ポイント上回った。世界銀行は5.4%で、1ポイント上回った。
多くのグローバル企業にとって、中国はすでに世界の利益増の「メインエンジン」になっている。ブルームバーグは先ほどモルガン・スタンレーのエコノミストの観点を引用し、在中外国企業に撤退の兆しは何ら見られないとした。
カイロ大学のラシャド・アブドゥー教授(経済学)は、「資本に故郷はない。資本と投資家を集められるということは、経済が力強いということだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年12月23日