研究機関の世界大型企業研究会はこのほど、世界サプライチェーン報告を発表し、今後10年、世界の生産ネットワークがなくなることはなく、中国は引き続き世界の主要製造業の中心の1つとなり、サービス業のグローバル化は加速すると示した。

　報告は以下のようにした。グローバル化時代は終わらず、世界の生産ネットワークはサプライチェーンの主な特徴だが、政策リスクと不確定性がより程度の大きいローカライゼーションをもたらす可能性がある。現時点で言うと、一部の政府が推し進める戦略的な商品の現地調達、および利益関係者のサプライチェーン持続可能性に対する不安、製造業に未転換のネットワークの欧米への大規模な逆流などがある。

　中国は引き続き世界の主要製造業の中心の1つとなる。一部の企業は生産または調達地を東南アジアに分散させる可能性があるが、これらの市場の能力は限られており、中国に代わることはできない。そのほか、生産ライン移転により企業は中国という重要な製造業の中心がもたらす優位性を失い、投入、労働力、輸送コストの面で新たな試練に直面する。

　サービス業のグローバル化が加速し、新たな成長のチャンスがもたらされる。米国はサービス業の輸出、特にビジネスと金融サービス業の輸出面でリードしているが、中国、インド、アイルランドなどの急成長している市場が米国の主導的地位を脅かす可能性がある。

　サービス業のグローバル化が進むにつれ、新興市場のハイテク人材は先進経済圏の高所得の同業と競争し、サービス業の人件費低下をもたらす。企業は多くの生産とサービスの調達を新興市場に移転する可能性が高い。

　そのほか、サプライチェーン調整は多くの面に波及し、今後10年でインフレは加速する可能性がある。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2021年12月24日